ハマボッス（浜払子）

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）は、主に海岸や湿地に生育する日本の固有種です。塩分に強い耐性を持つことから、海岸線の保全や緑化に役立つ植物として注目されています。 花が咲いた様子が仏具の払子に似ていることと生息地が浜辺であることから、浜の払子、ハマボッスと呼ばれるようになりました。 植物としては小型で高さは10～30cm程度、花の形は5弁で直径約1cmほどですが、小さな白い花が咲く姿は美しく、観賞用としても人気があります。

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）の主な開花時期は夏で、6月から8月にかけて日中の明るい時間帯に開花します。開花までの期間は、種子から育てる場合、春に播種して約3ヶ月後が目安です。 花を長く咲かせるためには、適度な水分と日当たりを確保しましょう。乾燥に弱いため、特に夏場は水分補給が重要です。

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）は湿地や水辺に生息する植物で水分を好むため、水やりは土壌全体に毎日行い、土壌が乾燥しないよう注意します。 水分の蒸発が激しい夏場は、朝と夕方2回の水やりがおすすめです。ただし、根腐れ防止のため、土壌の湿度を確認し、表面が乾いているかどうかを確かめてから判断するようにしましょう。日頃から水はけの良い環境を保つことも大切です。 一方で、冬季は水分の蒸発が少ないため、週に2～3回に頻度を減らしても問題ありません。

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）は、中性からやや酸性で排水性の良い土壌を好みます。湿地や海岸に生息する塩分に強い植物であるため、海水に近い環境でも生育が可能です。 肥料については特別必要ということはありませんが、春から初夏にかけての植え替え時期の施肥が、より健康な成長のためにおすすめです。量や回数に注意しながら、一般的な植物肥料を適度に与えるとよいでしょう。

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）は、日当たりの良い場所を好み、日照量が多いほどより良い成長を見せる植物です。ただし、日中の強い直射日光は葉焼けを引き起こす可能性があるため、最も適しているのは半日陰の環境とされています。 また、ハマボッスの生育に最適な気温は15℃～25℃です。 耐暑性は比較的高いですが、寒さには弱いため、冬季には霜や凍結から保護する必要があります。霜よけ対策を行ったり、室内に移動させるなどして管理を工夫しましょう。

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）は、特別に剪定や切り戻しの必要がある植物ではありませんが、形を整えたい場合や、過度に伸びてしまった枝の選定は積極的に行うとよいでしょう。 おすすめの時期は春から初夏にかけてです。この時期の剪定は、新たな芽吹きを活発にし、植物の成長を促すことにつながります。 まず1度、枝の先端から5cm程度をカットしたら、その後は成長を見ながら必要に応じてさらに切り戻していくとよいでしょう。 剪定後しばらくは、こまめな水やりでしっかりと水分補給を行います。また、切り口からの病気や害虫の感染に注意し、必要に応じて対策を行うことが重要です。

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）を鉢植えで栽培する場合は、鉢底に石や粗い砂を敷き、排水性の良い土を準備します。 植え付けは春に行うとよいでしょう。目安として2～3年に1回、根が鉢いっぱいに広がれば植え替えも適時行い、新しい鉢に移すときは根を傷つけないよう注意します。 また、寄せ植えにするのであれば耐塩性植物との組み合わせがおすすめですが、ハマボッスは成長が早いので、他の植物を圧迫しない管理を意識しましょう。

ハマボッス（Lysimachia mauritiana）の繁殖方法としては、大量に増やしたい場合は種まき、早く大きな株を作りたい場合は株分けがおすすめです。ハマボッスは茎や葉が脆いため、挿し木や葉挿しによる繁殖は向いていません。 種まきは春から初夏にかけて行いましょう。土に浅くまき、ビニールなどで覆って保湿しておくと、2週間程度で発芽します。株分けの場合は、春または秋に行います。株を掘り上げ、根元から分けて植え付けるとよいでしょう。