セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)の和名である「セイヨウノコギリソウ」は、葉がノコギリの歯のような形をしている見た目が由来です。 また、セイヨウノコギリソウの属名「Achillea」は、古代ギリシャの英雄アキレウスが傷を癒すために使用したことから、種小名の「millefolium」は、葉が千枚の葉に見えることから名付けられました。 セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)は、原産地ヨーロッパでは古くよりビールの苦味料として使用されてきた植物です。英名は「Yarrow」で、欧米では外傷用の薬草やハーブサラダとして利用されています。葉がノコギリのように見えるため、ミルフォイル(millfoil)やサウザンド・ウィード(Thousand weed)の名前で呼ばれることもあります。 日本には明治時代に切花用の植物として導入されました。繁殖力が強く、今では本州と北海道の一部で野生化しています。その生命力の強さは、堆肥用の生ゴミに一枚の葉を入れるだけで急速にゴミを分解するほどです。また、根から出る分泌液にはそばに生えている植物の病気を治し害虫から守る力があり、コンパニオンプランツのひとつとされています。 草丈はおよそ20cmから70cm程度ですが、なかには1mに育つ園芸種もあります。直立した茎は硬い木質、葉は細かい羽状複葉でノコギリのように見えます。花期は7〜9月頃で、小さな固まった花を咲かせます。花色は灰色がかった白色、または薄ピンクですが、紅色や深紅色の園芸品種もあり、黄色の花をつけるウーリーヤロウ(ヒメノコギリソウ)もセイヨウノコギリソウの仲間です。
1
0