ヒメヤブラン(Liriope minor)は日本ではあまり知られていませんが、東アジアの一部地域に自生しており、観賞用として栽培されることもあります。その名前の通り、ヤブラン(Liriope muscari)よりも小型で、草丈は20-30cm程度にしかなりません。 葉は線形で縁に鋸歯はなく、長さは20-40cm、幅は3-6mm程度です。また、花茎は葉よりも短く、夏から秋にかけて淡い紫色の美しい花を咲かせます。 果実は直径約5mmの球形で、黒紫色に熟した後、黒くて光沢がある直径約3mmの種子を付けます。 日陰に強く山地の林下や林縁、道端などに生育し、庭木やグランドカバーとして利用される場合もあります。 ヒメヤブラン(Liriope minor)の起源は、中国南部からベトナム北部にかけての地域にさかのぼるとされています。 また、学名の「Liriope」はギリシャ神話のニンフ「リリオペ」に由来し、「minor」はラテン語で「小さい」を意味します。 日本では、「ヒメヤブラン」という和名で呼ばれており、これは「姫」や「小さい」を意味する「ヒメ」と、植物の形状が似ているヤブランという名前が組み合わさったものです。
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