オニビシは、別名をTrapa natansといい、その様子は実に面白い植物です。水面に浮かぶ円形の葉と、硬い殻に包まれた実をつけるのが特徴です。 葉の形はまるで盾のよう。その縁は鋸歯状で、まるで鬼の牙のよう。葉の裏表には微細な毛が生え、水を弾きます。光合成を行うのに都合の良い形なのです。 実の形は球体。直径は2センチほど。中には種子が詰まっています。時に食用にもなります。硬い殻は種子を守るための適応と考えられます。 生息地は北半球の温帯。ヨーロッパやアジアの湖沼に多く見られます。日本でも北海道や本州の一部でみつけられます。 花は小さく地味。白や淡黄色をしています。葉の間からのびる花茎につき、その姿は控えめです。 種類もいくつかあるようです。ヨーロッパにはビスピノサ亜種。実の形が異なり、鋸歯が多いのが特徴です。 名前の由来は、鬼の牙のような葉の形から。生育に汚染に強く、栽培もしやすい素晴らしい水草なのです。
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