イヌニンジン(Aethusa cynapium)は、ヨーロッパやアジアの一部地域に自生しています。この植物は、セリ科の一年草で、日本では、北海道から九州までの広い地域にかけて見る事ができます。 茎は直立し、高さは30-100cmになり、葉は羽状複葉で、細かく切れ込んでおり、ニンジンに似た形状をしているのが特徴といえるでしょう。 花は白色で、小さな花が集まった散形花序を形成し、花期は6-8月です。果実は扁平で、長さ約2mm、幅約1.5mmの楕円形をしています。 イヌニンジンの起源は古く、紀元前3世紀、ギリシャの哲学者テオプラストスが著した『植物誌』において、イヌニンジンついて言及していることが分かっています。 また学名「Aethusa cynapium」は、ギリシャ語の「aitho(燃える)」と「kynapios(犬のセリ)」に由来しています。これは、姿形がセリに似ているものの、実際に食してしまうと、燃えるような刺激性があることから名付けられました。 日本名の「イヌニンジン」は、江戸時代に杉田玄白が、1804年に出版した『蘭学啓蒙』において、イヌニンジンを「犬薺」と記載しているのが、由来とされています。
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