シキンカラマツは、主に日本の本州、四国、九州の山地に分布しているほか、朝鮮半島や中国にも分布していることが知られています。シキンカラマツの学名は、フランスの植物学者ジャン・マリー・アントワーヌ・ド・ロシュブリュンヌ(Jean Marie Antoine de Rochbrune)にちなんで「Thalictrum rochebruneanum」と名付けられました。 シキンカラマツの起源については、アジア大陸から日本に渡ってきたと考えられています。また北半球を中心に約200種が分布しているシキンカラマツの仲間であるカラマツ属(Thalictrum)は、その中でシキンカラマツは日本固有種ではなく、アジア大陸にも分布していることから、その起源はアジア大陸にあると推測されている植物です。 なお、シキンカラマツの日本名「シキンカラマツ」は、日本の植物学者である牧野富太郎によって命名されたとされています。花序がシキン(色紙)のように美しいことと、葉がカラマツ(唐松)に似ていることから、その名がつけられました。 シキンカラマツ(Thalictrum rochebruneanum)は、日本をはじめとする東アジアの山地に自生しているキンポウゲ科の多年草です。葉の形状に独特の美しさがあるのが特徴的な植物です。 その草丈は成長すると50cmから1mほどになり、茎は直立し、細かく分岐しています。 葉は3回3出複葉で、小葉は細かく裂け、緑色から青緑色をしており、花期は6月から8月にかけてで、茎の先端に黄色い花を咲かせます。 花は雌雄異株で、雄花は花弁がなく、雌花は花弁が小さく目立たないため、花の中心にある黄色い雄しべが特徴的です。また、雌花には長い花柱があり、風媒花であることがわかります。 薬用植物としても利用されることがあり、民間療法では解熱や利尿作用があるとされています。また、その独特の葉の形状や黄色い花が美しいことから、観賞用として栽培されることもありますが、野生種の採取は自粛し、栽培種を利用することが望ましいです。
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