キキョウ（桔梗）

キキョウ（学名：Platycodon grandiflorus）の原産地は東アジアの広範囲に及びます。 ギリシャ語の「platys（広い）」と「kodon（鐘）」を意味し、花の形状が鐘のように広がっていることが学名の由来です。 大きくて美しい五弁の花を咲かせます。主に青紫色の花ですが、白やピンクの品種も存在します。 花の大きさは5cmから6cm程度で、花びらは細長く、先端が尖っているのが特徴です。 実は膨らんだ袋状で、中に多数の小さな種が詰まっています。 日本では古くから親しまれてきた植物で、「永遠の愛」や「誠実」など、高貴で清らかなイメージを持つ花言葉が多くあります。 美しい花と高貴な花言葉から、庭や花壇、鉢植えなどでよく見かける植物です。 日当たりと水はけの良い場所を好む植物です。耐寒性があるので、初心者でも育てやすいでしょう。 ただし根が弱いので、植え替えは行わない方が良いでしょう。

キキョウ（Platycodon grandiflorus）は、日本では「清浄な心」「永遠の愛」「純粋な愛」などの花言葉があります。 その中でも「永遠の愛」は、長く咲き続ける美しい花が、永遠に続く愛情を表すとされています。 7月5日の誕生花ともされており、この日に生まれた人には特別な意味を持つでしょう。 風水では邪気を払う力があると言われており、家の中に飾ると良い効果があるようです。

キキョウ（Platycodon grandiflorus）の開花は、日本では夏から秋にかけてです。7月から9月が最も見頃を迎えます。 種まきから約3ヶ月で開花し、一度咲けば長く楽しむことができるのが特徴です。 開花のサイクルは年に一度で、時期が終わればは次の年まで再び咲かせることはできません。 適度な水やりと日当たりの管理で花を長く咲かせることができるでしょう。 次の花を咲きやすくするため、枯れた花は早めに摘みましょう。

キキョウは乾燥に強い植物ですが、水はしっかりと必要です。 春から秋にかけては、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えましょう。 水はけが悪いと根腐れの原因となるので、水はけの良い土壌で管理しましょう。 冬季は、水やりを控えめにして乾燥を防ぐ程度にしてください。 頻度は週に1～2回程度が目安とし、季節や気温によって調整してください。 土壌の湿度は、指で触ってみて湿っていれば水やりは不要です。乾燥している場合は、水を与えるようにしましょう。

キキョウは、pHは5.5から6.5のやや酸性で、排水性が良い土壌を好みます。 用土は腐葉土と赤玉土を1:1の割合で混ぜたものが適しているでしょう。 肥料は春から夏にかけては1ヶ月に1回程度、液体肥料を与えます。 秋は成長が停滞する期間に突入するので肥料を減らし、冬は肥料を与えないでください。

キキョウ（学名：Platycodon grandiflorus）は、日当たりの良い場所が好きですが、強い直射日光は避けるようにし、半日陰でも育てましょう。 1日あたり6時間以上の日照時間が必要とされています。この日照時間を確保することで花の開花を促進し、美しい花を咲かせることができるでしょう。 耐寒性があるので、冬季の霜にも耐えられます。 寒さが厳しい地域では地上部が枯れることもありますが、春になると地下茎から新たに芽を出すので心配は無用です。 耐暑性はやや低く、高温多湿が苦手です。 30度以上の気温になると生育が止まり、花が咲かなくなる可能性があります。 15度から25度が最適な気温です。この温度範囲内なら健康に育つでしょう。 夏は風通しの良い半日陰、冬は霜が降りない場所に移動させるのをおすすめします。

キキョウは剪定や切り戻しを必要としません。 ですが、花が枯れた後に枯れた葉や茎を取り除くことで、見た目を整えられます。 また、枯れた部分を取り除くと新たな芽吹きが促され、次の季節に向けての成長を手助けできます。 この作業は秋から初冬に行いましょう。 剪定した後は、水やりを忘れずに行い乾燥を防ぎましょう。

キキョウは、鉢植えでも地植えでも育てられますが、鉢植えの方が管理がしやすいでしょう。 鉢植えで育てる場合の植え付けは春にしてください。 深さ15cm程度の鉢と良質な培養土を用意します。 根が張りやすいので、鉢の底には石や鹿の角アサガオなどを敷き、水はけを良くしてから種子をまきましょう。 その後水はけの良い場所に置いて、水やりをしてください。 植え替えをする場合は2年に1回、春に行うと良いでしょう。 寄せ植えに利用する場合は、他の植物とのバランスを考えて鉢の大きさを選んでください。 キキョウは以上のように、鉢植えのキキョウは手間がかかりますが、その分、美しい花を長く楽しむことができます。

キキョウ（Platycodon grandiflorus）は種まきと株分けで増やします。 種まきは春に行います。 種を蒔いた後はビニールなどで覆って湿度を保ってください。 2週間程度で発芽するでしょう。発芽したら日当たりの良い場所で育ててください。 株分けは春か秋に行います。 株を掘り上げて根元から切り分け、別の場所に植えましょう。 株分けは成長が早く、翌年には花を咲かせます。 どちらの方法もメリットデメリットがあるので、目的に合わせて選びましょう。 株分けは成長が早いため、早く花を楽しみたい方にはおすすめで、種まきは大量に増やしたい場合におすすめです。

キキョウ（Platycodon grandiflorus）は根腐れ病にかかりやすい植物で知られています。 根の部分が腐ってしまうもので、過湿により発生します。 水やりを控えめにし、排水の良い土を使用することで予防することができるでしょう。 また、アブラムシもつきやすい植物です。 アブラムシは葉の裏に集まり栄養を吸い取る害虫で、葉が黄色くなるなどの被害があります。 早期発見と早期駆除で被害を抑えましょう。 また、日照不足により枯れることもあります。日照時間を確保して健康な成長を促しましょう。