ゴーヤ（苦瓜）

ゴーヤはウリ科の植物で日本では特に沖縄の植物として有名で、ゴーヤチャンプルーなど沖縄料理の素材として知られています。独特な苦みから「苦瓜」とも呼ばれています。ゴーヤの名前は、沖縄方言の「ゴーヤー」から来ていて、これは苦いという意味の「ゴーラー」が変化した言葉が由来です。 ゴーヤの実は長さ20～30cm、直径は5～7cmで表面に突起があり全体的にゴツゴツとした形状です。色は深い緑で成熟すると黄色く変わってきます。 ゴーヤの実にはビタミンCが多く含まれていて、他にもカリウムやカロテンも含まれている栄養素の高い植物です。ゴーヤといえば夏のイメージですが、近年では品種改良により年中美味しいゴーヤが食べられるようになりました。 小ぶりなものや白い色のゴーヤもあり、世界中でさまざまなゴーヤの仲間が食べられています。食用としてだけではなく、最近では暑さ対策としてもつる状で大きな葉を持つゴーヤは緑のカーテンとして家庭での栽培も人気です。

ゴーヤの花言葉は、「厳格」や「強壮」などになっています。これはゴーヤの特徴的な形状や苦みなどから来ていると考えられます。 夏のイメージがあるゴーヤですが、誕生花は意外なことに秋真っ盛りの10月19日になっています。風水ではゴーヤは邪気を払う力があるとされ、家の中にゴーヤを飾ると家庭内の調和を保つとされています。

ゴーヤは春に種をまき、黄色い花が咲くのは春から初夏の5～6月にかけてです。気温が高く日照時間が長い時期に活発に成長します。開花までに必要な時期は種まきから2ヶ月程度です。 花が咲いてから実を収穫するタイミングは、大きさによりなかなか難しいのですが、だいたい2,３週間を目安に実を収穫しましょう。 品種によっても収穫時期には差があるため、最適なタイミングで美味しいゴーヤの実を収穫するには、事前に調べておくことをおすすめします。

ゴーヤは暑さと日光を好み、たくさんの水を必要とする植物です。土が乾いたらたっぷりと与えましょう。夏場はすぐに土が乾くため毎日の水やりが必要になり、状態を見て朝夕の二回水やりを行うこともあります。 しおれたり葉が枯れたりすると、養分が足りなくなって実がつきにくくなってしまいます。特にプランター栽培の場合は、土がすぐに乾いてしまうので注意しましょう。 秋から冬にかけては水やりは控えめにし、土が乾いたら少量与える程度にします。一週間に一度くらいが適切です。

ゴーヤは排水性が良い土を好みます。土壌は弱酸性から中性のpHは6.0～7.0が理想的です。一般的に売られている野菜の土で十分育ちます。 肥料は植え付けの際に有機肥料を施し、成長に応じて化学肥料を与えましょう。初期には窒素を含む肥料を、実がなり始めたらリン酸やカリウムを多く含む肥料を与えます。 成長の過程や状態を見て、追肥を行います。葉が黄色くなってきたり元気がない場合は都度追肥をしましょう。ただ、根腐れを起こしてしまわないよう、過度な追肥には注意が必要です。

ゴーヤは日当たりの良い場所を好みます。日照時間が多いほど成長が良いので、一日最低でも6時間以上の日照時間を確保しましょう。 緑のカーテンと言われるほど直射日光にも強い性質です。暑さにも強く、最適な気温は25度～30度とされています。日当たりが良ければよいほど実もつきやすく、たくさん収穫することができるのです。 ゴーヤの場合支柱を立てたりするので、鉢植えでも成長すると簡単に動かしにくくなります。なので、始めから日当たりを考えて置く場所を決めましょう。 耐寒性は低いため、冬越しは難しい植物です。なので種を採取しておき、春に種をまいて翌年の栽培へと繋げます。室内で管理すれば冬越しができる場合もありますが、日照不足になりやすいのでなかなか一般的には難しいです。

ゴーヤはつる状の植物ですので、支柱をたてたりネットで支えることが必要になります。始めは細くひょろひょろとしているので、支柱やネットに誘導してあげましょう。安定するとその後はしっかりと絡みついてくれます。 また、上にばかり伸びていくので、剪定を行うことで広がりのある成長をうながすことができます。先端を適度にカットすることで、脇芽も伸びて実も多くなるのです。 緑のカーテンを作りたい場合も、適度に伸びたつるをカットして、広がりをもたせていきましょう。

ゴーヤは鉢植えでも地植えでも育ちます。鉢植えで育てる場合は、乾燥しやすいので水やりを怠らないように注意しましょう。大きめの鉢の他、支柱やネットも必要です。 種まきの場合はポットに種をまいたら、間引きをして葉が2～3枚になった苗の状態で、鉢に植えます。鉢は直径30cm以上の物を用意し、大きな株に育てたいなら1つの鉢に1株が目安です。1つの鉢に多くの苗を植えないようにしましょう。 苗を購入した場合は、鉢に植え替える際、なるべく根を切らないように気を付けて植え替えましょう。地植えしたものを鉢栽培にし直すような場合は、どうしても掘り出す際に根が着れて傷んでしまうのでリスクがともないます。

ゴーヤの増やし方は種まきによるものです。ゴーヤは基本一年生の植物になるので、株分けや挿し木は適していません。ゴーヤの種を収穫する方法は、まず実が黄色くなって熟すまで待ちます。 実が裂けてきたら、中の種を収穫し乾燥させて、種まきをする春にそなえておきましょう。発芽には25度以上の温度が必要ですので、4月以降のじゅうぶん暖かい気候になってからまきます。 発芽には種をまいてから一週間ほどかかります。

ゴーヤが気を付けなければならない病気は、主にうどんこ病です。白い粉をまぶしたようになるもので、湿気が多い場所で起こりやすくなっています。放置しておくと枯れてしまうこともあるので、その部分を切り取るか、広範囲であるなら薬剤の使用も検討しましょう。 害虫ではアブラムシ・ハダニ・ウリハムシなどの被害が多く見られます。葉に吸汁したり、葉を食害したりしますので、見つけたら即座に取り払うなど対処が必要です。 これらの病害虫は、比較的成長過程の後半で起こりやすくなっているので、風通しを良くして密集させないようにするなど、早めに対策できるように日頃のチェックを怠らないようにしましょう。