ツマトリソウ(Lysimachia europaea)は、ユーラシア大陸を中心に分布する多年草です。日本では、北海道から九州までの山地や湿地に生育しています。湿った場所を好むため、湿地や沼地、湿原などで、その姿を見ることができるでしょう。 高さ30-80cmに成長し、茎は直立しています。葉は対生し、長楕円形で先が尖っており、縁には鋸歯があるのが特徴です。 花期は6月から8月で、黄色い花を咲かせます。花は径1.5-2.5cmです。5枚の花弁があり、花弁の基部には赤い斑点があります。果実は蒴果で、種子が多数含まれています。 ツマトリソウはヨーロッパに起源があるとされています。 学名である「Lysimachia europaea」は、ギリシャの歴史家プリニウスによって命名されました。彼はこの植物を、古代ギリシャの将軍リュシマコス(Lysimachus)にちなんで名付けたとされています。 日本名の「ツマトリソウ」は、花の形状が鶴の頭に似ていることから、鶴頭草(ツルカシラソウ)とも呼ばれていましたが、江戸時代の本草学者である伊藤仁斎が、鶴頭草とは別の植物であることを明らかにし、「ツマトリソウ」という名前が定着しました。
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