スズメノヤリ(Luzula capitata)は、北半球の寒冷地に分布しており、日本では北海道や本州の高山地帯に生育しています。ユキノシタ科に属する多年草で、観賞用として利用されることが多いです。 高さ10-30cm程度に成長し、細長い葉を持ちます。葉の縁には鋸歯があり、葉の表面には毛が生えているのが特徴です。 花期は5-7月で、黄褐色の小さな花を密集した球状花序は、茎の先端に1つだけ付き、その下に数枚の苞葉があります。 果実は蒴果で、熟すと3つの部分に裂けて種子を散布します。スズメノヤリは湿った土壌を好み、湿原や沼地、湿った草地などでよく見られる植物です。 スズメノヤリは、主に北アメリカ大陸やユーラシア大陸の寒冷地に起源があるとされています。 学名「Luzula」は、ラテン語の「luzulae」に由来し、その意味は「小さな灯り」です。これは、スズメノヤリの花が小さくて明るい色をしていることから名付けられました。また、「capitata」は、ラテン語で「頭状花序」を意味し、この植物の花が密集した頭状花序を形成する特徴を表しています。 日本語名の「スズメノヤリ」は、その形状がすずめの鳥の嘴(くちばし)に似ていることから名づけられました。この名前は、江戸時代の日本の植物学者である伊藤圭介によって命名されたとされています。
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