ホソバウンラン(Linaria vulgaris)は、アジアの一部地域や北アフリカにも自生していますが、最初の起源はヨーロッパ大陸とされています。 過去に、ヨーロッパから北アメリカに持ち込まれ、現在では北アメリカでも広く分布しています。ホソバウンランは、日本にも帰化植物として定着しており、道端や空き地などで見かけることができるため、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。 学名である「Linaria」は、ラテン語で「亜麻(リナム)」を意味する「linum」に由来しています。これはホソバウンランの葉が亜麻に似ていることから名付けられました。 またホソバウンランは広い地域に分布していますが、学名である「vulgaris」はラテン語で「一般的な」を意味しているため、名前の通りだと言えます。日本語名の「ホソバウンラン」は、葉が細長いことから「細葉ウンラン」と名付けれたことがきっかけとされています。 その歴史は古く、ヨーロッパでは、ホソバウンランを薬草として利用されていたことが記録に残っています。しかし、日本での薬草としての利用歴は明らかではありません。 ホソバウンラン(Linaria vulgaris)は、ヨーロッパや西アジア原産地とするオオバコ科の植物です。日本では北海道から九州までの各地で見られ、道端や草地、林縁などに生育しています。 直立した茎、線形の葉が特徴的で、草丈は30から80cmに成長します。葉の長さは2から5cm程度、幅は1-5mm程度です。6月から9月にかけて、茎の先端に黄色い花をつけます。 唇形の花を咲かせます。上唇は2裂し、下唇は3裂しており、長さは2-3cmほどです。最大の特徴的は、下唇の中央にある橙色の斑点です。実はこれが虫を引き寄せる役割を果たしています。また、英名の「Toadflax(トードフラックス)」という由来は、花の後ろに細長い距があることから来ています。 果実は蒴果で、長さは5-8mmほどになります。その中には多数の扁平で円形の趣旨を含んでおり、直径は1mmほどです。種子の飛散によって繁殖することで、広範囲に分布します。
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