ハヤチネウスユキソウは、学名Leontopodium hayachinenseで知られる、日本固有の高山植物です。謙虚な外観ながら、その精巧な花序の構造は見る者を魅了します。 この植物は草原性で、岩場を好んで生育します。葉は根出葉で、葉身は小型の掌状複葉。茎は短く、高さは10-15cm程度。花期は7-8月で、中心に黄色の管状花があり、周囲を白い舌状花が取り囲む独特の球状花序をつけます。雪の結晶を思わせる形状が、高山の風景に華を添えています。 分布域は本州中部以北の高山帯に限定され、特に北アルプス、日光連山、八ヶ岳などで豊富に見ることができます。寒冷な環境に適応した耐寒性植物ですが、栽培は容易ではありません。専門知識が求められ、種子の入手も困難です。 ハヤチネウスユキソウは、形態的には変異が少なく安定した種ですが、花序の大きさなどには品種レベルの変異があるようです。今後の研究に期待したい、日本の自然を象徴する高山植物といえるでしょう。
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