ツリフネソウ(Impatiens textorii)は、日本を含む東アジア地域に自生しています。日本では主に本州、四国、九州で、その姿を確認することができます。湿った場所や水辺に生育することが多く、山地や河川敷などでよく見られます。 茎は直立し、高さは30-100cmになる植物です。葉は互生で、長楕円形から卵形をしており、先端は鋭く、縁には鋸歯があります。 茎の上部に黄色い花を咲かせ、7月から9月が花期です。花は直径約2cmで、下唇弁が大きく発達し、上唇弁は小さく、側唇弁はほとんどありません。 果実は蒴果で、熟すと破裂して種子を飛ばします。種子は平滑で、長さ約4mm、幅約2mmです。 また、ツリフネソウの茎からは繊維が取れるため、昔は織物の原料として利用されていました。現在は主に観賞用として栽培されています。 ツリフネソウの学名「Impatiens textorii」は、日本の植物を研究し、多くの新種を発見した19世紀のドイツの植物学者であるカール・ルドルフ・ヴィルデンオヴィウスによって命名されました。 また、和名の「ツリフネソウ」は、この植物の特徴が由来になったとされています。ツリフネソウは、果実が熟すと、内部の圧力によって果皮が破れ、種子を飛ばす性質がある植物です。この様子が、古い日本の遊びである「つりふね」に似ていることから、この名前が付けられました。
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