エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)が分布するのは、北半球の温帯から亜寒帯にかけてで、起源はヨーロッパとアジアとされています。特に、ヨーロッパで多くの人の親しまれた植物です。 日本では、北海道から本州の山地で見られます。日本では、アイヌ民族が利用しており、名前に付いている「エゾ」はアイヌ語に由来しているようです。 エゾヘビイチゴは、イチゴと同類であり、多くの方が口にする現在のイチゴが作られる過程で重要な役割を果たしたため、イチゴの歴史や進化において重要なポジションにあると言えます。 学名の「Fragaria vesca」は、ラテン語で「小さなイチゴ」を意味し、その名の通り形で野生種特有の風味があります。この名前は、スウェーデンの植物学者に命名されたものです。 エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)は、葉が三小葉からなる複葉(1枚の葉が3つに分かれている)で、小葉の形楕円形です。また、葉の端はノコギリ型になっています。茎は直立し、10-30cm程度の高さまで成長するのが特徴で、茎の先に花が咲きます。 花は白色で5弁、径は1-2cm程で、5月から7月にかけて咲きます。花が咲き終えると直径1cmほどの赤い果実がなり、甘酸っぱくて美味しいとされています。 ただし、一般的なイチゴとは異なり、果実が小さく、栽培品種ではないため、市場での流通はほとんどありません。しかし、山菜として採取されることがあり、また、観賞用としても栽培されることがあります。 エゾヘビイチゴは、植物分類学上では、イチゴ属(Fragaria)の中で野生種に分類されるため、遺伝子的な研究や品種改良の対象としても注目されています。
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