ノウゴウイチゴ（能郷苺）

ノウゴウイチゴ「Fragaria iinumae」は、イチゴの一種で、日本固有の種です。 原産地は日本の北海道から本州の中部地方にかけてで、特に山地や森林の中に生息しているため、育てる際には湿度と温度を適切に管理が大切な植物です。 名前の由来は、その生育地である能郷白老（ノウゴウシラオイ）から来ており、この地域で初めて発見されたことからつけられました。 ノウゴウイチゴの果実は小さく、赤い色をしており、大きさは一般的なイチゴの約半分程度で、直径は約1cm程度です。また、小型であることと、白い花を咲かせることが特徴的です。 また、この植物は野生種であるため、特定の品種は存在しませんが、その遺伝的特性は、他のイチゴの品種改良に利用されることがあります.。

ノウゴウイチゴは、特に5月から6月が見頃で、開花時期は春から初夏にかけてです。 開花までに必要な期間は種子から約1年です。花は日中に開き、夜に閉じる傾向があります。 適度な湿度と日照を確保し、適切に水を与え、肥料の管理も忘れずに行うことが花を長く咲かせるコツです。

ノウゴウイチゴは、適度な湿度を好みます。この植物は、直射日光による蒸発を防ぐことが大切と言えます。水やりは、朝早くか夕方遅くに行うようにしましょう。 春から夏にかけては、土壌が乾燥しないように1回あたり約200mlの水を週に2〜3回、与えてください。 水分の蒸発が少ない秋から冬にかけては、1回あたり約150mlの水を週に1〜2回、与えると良いでしょう。 土壌の湿度は、指で触れてみて湿っている程度が適切です。乾燥しすぎている場合や、逆に水が溜まっている場合は、水やりの頻度や量を調整してください。

ノウゴウイチゴは、pHは5.5から6.5で酸性から中性の土壌が理想的です。 また、水はけが良く、有機物を豊富に含んだ腐葉土を用いると良いでしょう。 肥料は、窒素、リン酸、カリウムをバランス良く含んだ化成肥料が適しています。時期は春に全体的に施すと良いです。 夏は果実の成熟を助けるためにカリウムを多めに含んだ肥料を追加してください。 季節や植物の状態によりますが、月に1回程度肥料を与えると良いでしょう。土壌表面に均一にまき、軽く土に混ぜ込む方法が一般的です。

ノウゴウイチゴは、日当たりの良い場所を好む植物ですが、直射日光が強すぎると葉焼けを起こすことがあるので、半日陰の場所で育てるのがおすすめです。 夏季は、日中の強い日差しを避けるため、午後の日陰に移動させたり、高温によるストレスを避けるため、風通しの良い場所で育てるなど工夫しましょう。 1日あたりの最適な日光時間は、4-6時間程度で、これ以上の日照時間は、植物にストレスを与える可能性があるので注意が必要です。 最適な気温は、春から秋にかけては15-25℃、冬季は5-10℃とされています。 また、この植物は耐寒性があり、冬季でも栽培できますが、霜が降りるような低温には弱いため、霜よけ対策が必要です。

ノウゴウイチゴは、自然状態で成長することが多く、剪定や切り戻しの必要性が低い植物ですが、植物が過密になっていたり、病気や虫害によるダメージが見られる場合は、剪定や切り戻しを行ってください。最適な時期は、春の新芽が出る前の冬季です。 枯れた枝や病気の部分を取り除き、他の枝と交差している部分や、内側に向かって成長している枝を剪定しましょう。 剪定後は、水と肥料を適度に与えることが大切です。

ノウゴウイチゴは、鉢植えでも栽培することができる植物です。鉢は深さ30cm以上、直径30cm以上のものを選び、底には排水の良い素材を敷きましょう。 土は、腐葉土と赤玉土を1:1の割合で混ぜたものを使用し、株間は20cm程度開け、鉢の中央に植え付けると良いでしょう。最適な時期は春です。 植え替えは、古い土を取り除き、新しい土で根を覆うようにするのがポイントです。2年に1回、春に行いましょう。 寄せ植えは、根が強く広がるノウゴウイチゴの特性から、他の植物との共生が難しいためおすすめしません。

ノウゴウイチゴの増やし方は、種まきや株分けがありますが、最適な方法は株分けです。理由は、成長が早く、短期間で収穫が可能だからです。挿し木や葉挿しはノウゴウイチゴには適していません。 株分けは春または秋に行うと良いです。株を掘り上げて根元から分け、新たに植え付けてください。 種まきは春に行いましょう。種を蒔いた後は湿度を保つためにビニールなどで覆ってください。発芽するための理想的な温度は20度前後です。 果実が赤く熟したら収穫してください。果実は熟すとすぐに落ちやすいので、定期的にチェックしましょう。