オランダフウロ(Erodium cicutarium)の起源は地中海沿岸地域です。古くからヨーロッパで利用され、特にオランダで栽培されたことが「オランダフウロ」の由来です。 日本では、オランダフウロは「オランダ風呂」とも呼ばれ、その名前はオランダの船が日本に持ち込んだとされる風呂敷に似た形状の葉から来ているとされています。北アメリカへの移入は、おそらく18世紀にヨーロッパから持ち込まれたものと考えられています。 オランダフウロ(Erodium cicutarium)は、ヨーロッパをはじめとする北半球の温帯から亜寒帯にかけて分布している、フウロソウ科に属する一年草または越年草です。日本では主に乾燥した土地や草原、道端などに生育しています。茎は直立または斜めに伸び、高さは20から60cmほどまで成長します。特徴的なその葉は羽状複葉で、小葉は細かく切れ込んでおり、切れ込みの先端は鋭く尖っています。 径1-2cmの小さな花が5枚の花弁で構成されており、色は淡い紫色で、花弁の基部には紫色の斑点があります。時期としては春から初夏にかけて花を咲かせます。果実は長さ4から5cmの嘴状で、熟すと螺旋状に捻じれて種子を飛ばします。 オランダフウロは、アメリカやオーストラリアなどの他の大陸にも移入され、帰化植物として定着しています。 オランダフウロは、一部の地域では在来種の植物相に影響を与える外来種として問題視されることもあります。耐乾性が強く、環境適応力が高いうえに、様々な土壌や気候条件下で生育することができる、繁殖力の強さが特徴的です。
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