オニドコロ(Dioscorea tokoro)の起源は、主に日本、中国、台湾、韓国などの東アジア地域にあります。 学名「Dioscorea tokoro」は、ギリシャ神話の医神ディオスクリデス(Dioscorides)に由来し、彼が古代ギリシャ時代に薬用植物として利用していたことから名付けられました。また、「tokoro」は日本での自生地を示しています。 和名であるオニドコロは、その形状や生育環境から「鬼のようなドコロ(土倉)」を意味すると考えられています。 その歴史は古く、奈良時代の『日本書紀』にも記載があり、古来から薬用植物として利用されていました。日本の自然や文化と深く関わっている植物と言えます。 オニドコロ(Dioscorea tokoro)は、日本をはじめとする東アジア地域に分布しています。 この植物は、高さは1-3mに成長し、山地や森林の中でよく見られます。葉は心形で、対生し、縁には鋸歯があるのが特徴です。 茎は右巻きで、つる性が強く、他の植物に絡みついて成長します。花期にあたる6-8月には、黄緑色の小さな花を咲かせ、雌雄異株であるため、雌株と雄株が別々に存在するのが特徴です。 果実は、熟すと黄褐色になる蒴果で、長さ約2cmの楕円形をしています。また、根は山菜として利用されることもありますが、生のままでは有毒であるため、加熱処理が必要です。
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