ツタバウンラン(Cymbalaria muralis)は、ヨーロッパ南部を中心に地中海沿岸地域に自生している植物です。 葉は、心臓形で浅く3~5裂し、長さ2~4cm、幅1.5~3cm程度あり、また、葉柄は長く、茎に巻き付く性質があります。 花径1cmほどの小さな白い花を咲かせ、4月から10月が花期です。花の中心部には紫色の筋が入り、美しい模様があります。 ツタバウンランは、日陰を好み、湿った環境でよく育つ植物です。また、耐寒性があるため、日本の各地で栽培ができます。繁殖力が強く、広がりやすい性質があるため、庭や壁面の緑化に利用されることが多いです。 ツタバウンランの歴史は古く、ヨーロッパ各地で栽培されていた記録が残っています。また、この植物は、地中海地域に起源があるとされています。 日本には江戸時代に渡来し、日本名の「ツタバウンラン」は、蔓(つた)状に伸びる茎と、花の形がウンラン(雲嵐)に似ていることから名付けられました。また、別名として「イワカガミ」とも呼ばれています。 ツタバウンランは、石垣や壁などの隙間に生えることが多く、その生育環境から「Cymbalaria muralis」という学名が付けられました。ラテン語で壁を意味する「muralis」がその名に入っています。
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