コスモス（秋桜）

コスモスはキク科の一年草で「秋桜」とも呼ばれ日本でもなじみ深い花ですが、原産地はメキシコです。花の色は代表的なピンクをはじめ、白・赤・オレンジ・複色などバラエティに富んでいます。 特に土の質を選ばず育つので、道路わきや休耕地などさまざまな場所で群生していることが多いです。もともと日が短くなってからの秋に咲く短日植物ですが、改良が進み早咲きや遅咲きなどいろいろな時期に楽しめるようになってきました。 高さは60cm～120cmと高く、群生すると迫力のある花ですが、最近では低い高さのものも登場してきています。品種も実に豊富で、色だけでなく大輪のものや筒状の花びらを持つもの、縁取りが入った覆輪のものなど多種多様です。 コスモスの語源は、ギリシャ語で「秩序」「調和」「美しい」という意味で、華やかで可憐なイメージを持たれています。育てやすく見た目もかわいらしく華やかなので、全国的にも大規模なコスモス畑の見どころスポットは多いです。

コスモスの花言葉は「優美」「調和」などが代表的なものですが、色によって花言葉が微妙に違っています。バラなどと同様、ピンク系はかわいらしさ、白は純真さ、赤系は情熱、黄色は野生的な美しさなどのイメージです。 誕生花も色によって違います。代表的なのは9月27日とされていますが、黄色や赤などは10月が多いです。やはり秋に集中しています。風水では、家庭の調和を保つ効果があるといわれている花です。

コスモスは種をまいてから3ヶ月程度で開花します。一度開花すると次々に花が咲いていくので、きちんと管理することで、初夏から秋にかけて長い期間楽しめます。開花時期は６月～11月頃までですが、9月・10月が最も見ごろになる時期です。 花を長く咲かせるためには、定期的に枯れた花を摘み取る摘芯をするのがポイントですが、種を取るためには花を摘まずにそのままにしておきましょう。 コスモスの種は細長いのでわかりやすいです。

コスモスは乾燥に強い植物です。生育期間中は土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、地植えの場合、雨がかかる場所であれば放っておいても育ちます。 秋になって気温が下がり、土の乾燥がそれほどひどくならない状態であれば、水やりの頻度を減らすとようでしょう。あまり水を与えすぎると根腐れを起こしてしまいますので注意しましょう。常に土が湿っている状態にならないようにすることが健康的に育てるポイントです。

コスモスは水はけの良い土であれば、特に土壌にこだわる必要はなく、一般的な草花用の土であれば育ちます。肥料は地植えであれば特に必要がなく、鉢植えでも肥料は少な目にしましょう。 土の質が良ければ、肥料がなくても育ちますし、逆に肥料のやりすぎで生育が悪くなることもあります。花付きや花の色が悪い、元気がないなど問題がある場合に追肥するのがおすすめです。

コスモスは日当たりの良い場所を好み、1日に約6時間以上の日照時間が必要とされています。日照不足になると花付きが悪くなり、虫がついたり病気にもなりやすくなるので注意が必要です。 コスモスは耐暑性があり、ある程度高温でも育ちますが、適応温度は15℃から25℃とされています。暑さには強いイメージですが、もともとメキシコの高所地域で咲いていた植物であるため、猛暑に強いわけではありません。 風通しの良さは必要ですが、背が高いので強風には弱く、台風などに襲われると倒れてしまうことがよくありますので、直接強い風が当たる場所は避けましょう。 耐寒性には弱いですが、一年草なので冬超しの必要はありません。

コスモスは背の高い植物なので、あまり伸びすぎて見栄えが悪くなってしまう場合は剪定することができます。脇目から芽が出て、高さが低く抑えられバランスのいい丈太にできます。花がらを摘むことで次の花芽も出やすくなります。 ですが、コスモスは一年草なのであまりに剪定しすぎると、そのまま花の時期が終わってしまうこともあるので、コスモスの花の状態をみて行いましょう。

コスモスは鉢植えでも地植えでも育てることができます。特に地植えであるばあいは、水やりも雨にまかせ、肥料もほとんど必要ないことから最適の育て方です。 ですが、もともと育てやすい植物であるため鉢植えでも十分に育ちます。鉢植えは土が乾燥しやすいので、水やりの際にはたっぷりとあげましょう。コスモスは日当たりの良さを好むため、できるだけ日照時間の長い場所に置くのが一番のポイントになります。 寄せ植えの場合、コスモスは背が高く育つので他の植物とのバランスを考えることが必要です。前面にコスモスよりも低い丈の植物を据えるとバランスがとりやすくなります。

コスモスは種まきによって繁殖します。適度な気温であれば、春から初夏まで長い期間種をまくことができる植物です。品種によって晩生のものなど、咲く時期が異なっているので、咲かせたい時期や咲かせたい花によってまく時期を確認するようにします。 種はあまり深く埋め込まないようにまいて、発芽までは土を乾燥させないよう水はたっぷりと与えましょう。苗を購入した場合、一年草ではありますがそのままのポットより大きめの鉢に植え替えてやるのがおすすめです。根がしっかりと伸びて水分を吸収し、長く花を楽しむことができます。

コスモスは、アブラムシやヨトウムシ、ハダニなどの被害を受けやすい植物です。害虫は葉や茎を食害して、成長をさまたげしまいます。 また、コスモスのかかりやすい病気としては、白い粉のようなものが発生するうどんこ病です。少し涼しくなってきた時期に発生しやすくなっています。 害虫も病気も風通しの悪さなどが原因の場合が多いので、葉の密集や湿気などに気を付けてあげましょう。害虫が見つかったら早めに取り除くか、病気などは薬剤の使用もおすすめします。