ダルマギクの学名「Aster spathulifolius」は、ラテン語で「spathulifolius」が「スパチュラ状の葉」を意味し、葉の特徴からこの名がつけられたと考えられています。また、日本名の「ダルマギク」は、葉がだるまのようなずんぐりとした形をしていることから名付けられました。 ダルマギクはこれまで、園芸品種として日本で栽培されており、観賞用として利用されていました。ダルマという言葉から分かるように、日本の文化にも深くかかわっている植物だと言えるでしょう。 ダルマギク(Aster spathulifolius)は、主に海岸や砂浜に生育しているキク科の多年草です。 大きな特徴は、葉にあります。緑色で光沢のある葉は線形から披針形で、縁に鋸歯があり、裏面は白っぽい粉を持っています。その葉の裏面が灰色がかって見えることが特徴です。茎は直立しており、高さは20から50cm程度まで成長します。 花期は9月から11月で、頭状花序を密につけ、花冠は白色から淡紫色、直径1.5-2.5cm程度で、花の中心部には黄色い筒状花があり、外側には舌状花が並んでいます。 ダルマギクは、砂浜や海岸の草地に生育することから、塩分に強い耐塩性植物です。また、風による砂の移動にも適応しており、環境に対する適応力が高いことから、海岸の植生保護や砂防工事に役立つことが期待されています。 一方で、開発や人為的な影響により、生育地が減少していることも事実です。そのことから、保全が求められている植物でもあります。
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