ハマヨモギ（浜蓬）

ヤマゼリの原産地は日本で、山間部や森林の湿地に自生しています。学名は「Ostericum sieboldii」です。 特徴的な形状から、山のセリと呼ばれます。 草丈は50cmから1mほどに伸び、夏から秋にかけて白色の小花が咲きます。 葉は大きくて深く切れ込んだような形をしています。 独特な香りから、昔から薬草として利用されてきました。 特に、根は「ヤマゼリの根」として、漢方薬の原料として重宝されています。 湿度と日当たりを好むので、水はけの良く、日光が十分に当たる場所で育てましょう。

ハマヨモギ（Artemisia scoparia）の花言葉は「健康」や「長寿」などです。 なかでも代表的なものが、「健康」になります。 古来から、体調を整える効果があるため薬草として利用されたことが由来です。 9月の誕生花でもあります。 風水では、家に飾ることで家族の健康を守るとされています。

ハマヨモギは、7月から10月頃にかけて黄色い小花を咲かせます。 開花までの期間は、種子から育てて約3ヶ月ほどです。 日照を好む植物のため、日中に開花していることが多いでしょう。 十分な日照と適度な水分管理で、花を長く咲かせることができます。 乾燥に強い一方で、湿度が高すぎると病気になり花が枯れる原因になるので気を付けましょう。

ハマヨモギは、乾燥に強い植物です。反面、過度な水分により根腐れを起こすことがあります。 水やりは土壌が乾いたときや、湿度が低いときに行いましょう。 春から夏にかけての温暖な時期は1週間に1回程度、秋から冬の寒冷期は2週間に1回程度の水やりをしてください。 これはあくまで基本のペースです。土壌の湿度を指などで確認し、乾燥している場合のみ水を与えましょう。 水やりの量は、土の表面が湿る程度にします。 鉢底から水が出る程度にたっぷりと与えて大丈夫です。

ハマヨモギは、乾燥した砂地や草地に生息することが多いため、排水性の良い土壌を好みます。 土壌のpHは、6.0～7.0程度の中性からやや酸性が適しています。 肥料は、リン酸・窒素・カリウムがバランス良く配合されたものを選んでください。 成長期の春から夏にかけては、肥料を1ヶ月に1回程度与えましょう。 過剰な肥料は根を傷つける可能性があるので、適量を守ってください。

ハマヨモギ（Artemisia scoparia）は日当たりの良い場所を好み、日照量が多いほど成長します。 強い直射日光にも多少の耐性がありますが、適度な日陰があるところが良いでしょう。 耐寒性が高く、冬季でも生育が続きます。なので冬越しに特別な手間は必要ないでしょう。 耐暑性はあまりなく、高温にそこまで強くないため、夏の直射日光は避けてください。 真夏の日中は日陰に移動させた方が良いでしょう。 1日あたりの最適な日照時間は、6時間以上とされています。 強い日差しは避けた方が無難なので、早朝や夕方の日光を多く浴びさせてください。 室内でも屋外でも、日当たりの良い場所に置きます。

ハマヨモギは、剪定や切り戻しの必要はありません。 形を整えたい場合や、新たな芽吹きを促進したい場合には、剪定や切り戻しを行っても良いでしょう。 剪定や切り戻しは、春から初夏にかけてに行います。 成長期のこの時期に行うことで新たな芽吹きがより活発になるでしょう。 剪定や切り戻しの手順は、まず枝の先端を切り取ってください。 次に、光が均等に当たるように枝の間隔を開けます。 剪定や切り戻し後は、水やりを行いましょう。 剪定後の傷口から病気が入る可能性を減らすため、消毒を忘れないように行います。

ハマヨモギは、鉢植えでも育てやすい植物です。 鉢植えにする場合、鉢の底に石や鹿の角などを敷いて水はけを良くし、土は排水性の良いものを使用します。 植え付けは春に行いましょう。 種子をまいてから約2週間で発芽します。 植え替えは2年に1回、これも春に行ってください。 寄せ植えにも適していますが、ハマヨモギが主役にならないように配置した方が良いでしょう。

ハマヨモギ（Artemisia scoparia）は、主に種まきと株分けで繁殖させます。 種まきは春に行いましょう。種を蒔いた後は日当たりの良い場所で、適度に水を与えて育てます。 株分けは、春か秋に行います。 根元から株を分け、植えてください。 新たな株も元の株と同じ特性を持つため、品種の維持に良い方法でしょう。 他にも挿し木や葉挿しなどの方法がありますが、成功率が低いのでハマヨモギの繁殖にはあまり適していません。 収穫は秋、茎と葉をまとめて刈り取ります。乾燥させて保存し、薬草として利用できます。

ハマヨモギは、根腐れ病や葉斑病にかかりやすい植物です。 過湿や不適切な水やり、栄養過多によって起こります。 根腐れ病は、水はけの悪い土壌や過湿のせいで、根が腐ってしまう病気です。 水はけの良い土を使用し、適切な水やりをすることで防ぎましょう。 葉斑病は、湿度が高い環境や栄養過多が原因で、葉に茶色や黄色の斑点が出る病気です。 湿度管理と、適量の肥料で予防します。 アブラムシやヨトウムシなどの害虫もつきます。 葉を食害し、植物の成長を阻害されるため、定期的な観察を行い、見つかった場合は早めに手や薬で駆除しましょう。