ドクゼリモドキの起源は古代エジプトにまで遡ります。エジプトでは古くから薬用植物として利用されていたそうで、抗菌作用や抗炎症作用があると言われていました。現在では地中海沿岸地域を中心に分布しています。 また、ドクゼリモドキはヨーロッパや北アフリカにも自生しており、これらの地域でも薬用植物として利用されていました。とくに、古代ギリシャやローマでは、ドクゼリモドキを用いた薬が作られていたという記録が残されています。これらの地域での利用法は、エジプトと同様に抗菌作用や抗炎症作用を目的としたものでした。 古代ギリシャの哲学者プリニウスによって記述されたものを確認すると、「アンブロシア」と呼んでいたとされており、その名はギリシャ神話に登場する不死の神々の食べ物に由来していると考えられていました。あらゆる古代の文書に出てくることからもドクゼリモドキは、長い歴史を持つ薬用植物であることがわかります。 ドクゼリモドキ(Ammi majus)は北アフリカや西アジア原産の一年草で、日本では、野生化したものが各地で見られます。 高さは50~150cmに成長し、茎は直立しています。葉は羽状複葉で、緑色の細かい葉が特徴的と言えるでしょう。 樹液には毒のあるドクゼリという植物がありますが、見た目が酷似しているドクゼリモドキには毒がありません。 花期は5~8月で、白い小花が密集した散形花序をつけます。花序は直径5~10cmほどで、放射状に広がる姿が美しいです。花の香りは強く、昆虫を引き寄せる効果があるでしょう。
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