フードシェアリングとは?メリット・デメリット|おすすめサービス3選も紹介
フードシェアリングは、食品ロスを削減するための取り組みの一つで、廃棄されそうな食品と消費者とをマッチングするサービスです。
食品ロス(フードロス)という言葉はよく耳にするものの、フードシェアリングにはあまり馴染みがない、という方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、フードシェアリングサービスの解説と、サービスを利用するメリット・デメリット、おすすめのフードシェアリングサービス3選について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- ・フードシェアリングサービスの使い方
- ・フードシェアリングサービスのメリット・デメリット
- ・おすすめのフードシェアリングサービス3選
フードシェアリングサービスとは?
フードシェアリングとは、食品ロスになりそうな商品を、ECサイトやアプリ等を介して消費者とマッチングし、食品ロスを削減する仕組みです。
・廃棄予定の食品が対象
・節約もできて、地球温暖化防止にも役立つことができる
・誰でも簡単に利用でき、普段の生活に取り入れられる
廃棄される予定の食品を救うためのサービス
飲食店や食品販売店では、売れ残りや過剰仕入れ、消費期限が近く店頭に並べられなくなったものなどが多く廃棄されています。
また、家庭でも食べきれない食品や、好みに合わなかった食品などが、まだ食べられる状態でも廃棄されてしまいます。
消費者庁によると、2020年度には推計値522万トンにも及ぶ食品ロスが発生していました。国民一人当たりで換算すると、お茶碗1杯分(約113g)を日本人全員が毎日捨てていることと同じになるのです。
フードシェアリングサービスは、売れ残りや廃棄が発生しそうな店舗が、アプリ等を通じて食品を出品しているほか、消費者が廃棄しそうな食品を寄付できるフードバンクなど、さまざまな種類のサービスが展開されています。
”引用:消費者庁「食品ロスについて知る・学ぶ」”
お財布にも環境にも優しい
フードシェアリングサービスに出品されている食品は、定価より割安な値段設定となっているものが多いです。消費者にとっては、正規品と変わらないものを安く食べられるため、嬉しい節約効果が期待できます。
店舗にとっては、商品の廃棄は損失になってしまいますが、割安であっても商品を販売することで損失削減につながるため、助かるサービスです。
また、食品ロスが多く出ることによって、その運搬や焼却のために二酸化炭素が排出されることになります。フードシェアリングサービスを利用し、食品ロスを削減することで、地球温暖化の防止にも役立つことができるのです。
登録は誰でも簡単!無理なく利用できる
フードシェアリングは、ECサイトやアプリを介したサービスが多く展開されています。そのため、サイトへの会員登録やアプリをダウンロードするだけで、誰でも簡単にサービスの利用が可能です。
また、サイトやアプリは基本的に無料で、毎月の利用制限や最低利用回数が設けられていないものが多いため、自分の都合や気分に合わせながら無理なく利用できるのも特徴となっています。
普段の生活に取り入れられて、簡単に食品ロスが削減できる!嬉しいサービスだね♪
フードシェアリングサービスのメリット・デメリット
ここでは、フードシェアリングサービスのメリットとデメリットを紹介します。
フードシェアリングサービスのメリット
・割安でも、味は正規品と変わらない
・フードロス削減への貢献度が数字でわかる
・地方在住でも利用できるサービスがある
食品ロスとなるものは、賞味期限や消費期限が近いものや、飲食店での余り物などが多く捨てられます。フードシェアリングサービスでは、これらの食品を提供しているため、味は正規品と変わらないのに割安な価格で購入できるのが、消費者にとっては嬉しいポイントです。
フードシェアリングサービスの一部では、そのサービスが利用されたことによってどれくらいの量の食品ロスが削減できたかを公表しているものもあります。
例えば、Kuradashi公式サイトでは、食品ロスの削減量だけでなく、二酸化炭素の排出削減量や寄付金実績についても確認することが可能です。また、サービスの利用度によって会員自身の社会貢献度が数値化されて表示されるといった機能も付いています。
宅配で展開しているサービスもありますので、「近所に飲食店が少ない」といった地域に住んでいる方でも食品ロス削減に貢献することができます。
フードシェアリングって身近なサービスなんだね!食品ロス削減に貢献しながら、節約ができるのも嬉しい!
フードシェアリングサービスのデメリット
・賞味期限が近い
・量が多く消費が難しいことも
・導入店舗や地域が限られているものもある
フードシェアリングで提供される食品は、その性質上賞味期限や消費期限が近いものが多くあります。特に、飲食店で提供されているものや生鮮食品などは、その日のうちに食べないといけないものもあるため、注意が必要です。
また、賞味期限が近いものをまとめ売りすることによって、商品を大幅に安く提供している場合もあります。割引率が大きい点は嬉しいですが、ついたくさん買ってしまって食べきれなくなる、といったことにならないよう、適量の範囲で利用するように心がけましょう。
サービスによっては、首都圏でしか展開されていないものや、北海道・沖縄などが対象地域に含まれていないものもあります。利用する際には対応地域をよく確認しましょう。
「使わないと損」というものではないので、自分に合った使い方をしよう!
おすすめのフードシェアリングサービス3選
ここでは、編集部おすすめのフードシェアリングサービスを3つ紹介します。
TABETE(タベテ)
TABETE(タベテ)は、食品ロスになりそうな食品をお店が出品し、ユーザーとマッチングして提供するアプリです。パン屋飲食店のみでなく、ケーキ屋、ホテル、スーパー等に幅広く展開しており、横浜市や大阪市、杉並区など数多くの行政機関とも連携しているため、安心して利用できます。
TABETEに登録しているお店は、ロスになりそうな食品が発生した場合にTABETEに出品し、食べたいと思った消費者がその食品を購入して料金を支払い、お店に受け取りに行くという流れになります。
事前にクレジットカード等で支払いを済ませられ、お店では受け取るのみなので、時間がかからず手軽に利用できる点がポイントです。
なお、宅配には対応しておらず、受け取り時間が指定されているため、指定された時間内にお店に行かなければいけない点に注意が必要です。
Otameshi(オタメシ)
Otameshiは、廃棄されそうな商品をメーカーから買い取って手ごろな価格で提供し、食品ロスや衣料品ロスの削減に取り組んでいるECサイトです。
カゴメやAGF、バンダイやサントリーなどの大手企業が出品しています。そのため、食品のほかペットボトル飲料、美容器具やペット用品、筆記用具まで幅広い商品が買えるのが大きな特徴です。
また、商品の売り上げの一部は寄付金となり、医療団体や動物愛護団体へと寄付されています。寄付先は商品購入時に自分で指定することが可能です。商品は郵送で届けられ、お店に行く必要がないため、いつでも簡単に利用できます。
会員登録しなくても利用することができますが、会員限定のお得なセールが実施されていたり、メールマガジンで新着商品の情報が届くなど、会員ならではのメリットがたくさんあります。
なお、野菜や果物などの生鮮食品は取り扱っていないほか、沖縄・離島への配送に対応していない点に注意が必要です。
Kuradashi(クラダシ)
Kuradashiは、食品に特化したECサイトで、加工食品のみでなく、規格外のため廃棄されそうな野菜・果物や、チーズ、明太子など幅広い食品を取り扱っている点が特徴です。一部、日用品や美容商品の取り扱いもおこなっています。
割安な商品が毎月届く定期便のサービスがあるほか、インスタライブ視聴者限定のクーポン配布や、公式LINEの登録で200円OFFクーポンがもらえるなど、お得な取り組みも多いため、公式のインスタグラムやTwitter、LINEに登録して、お買い得情報をチェックしましょう。
Otameshiと同様に、売り上げの一部は寄付金となり、環境保護団体や国連等の飢餓対策団体のほか、世界で起こった災害に対応した緊急基金も寄付対象として選ぶことができます。
なお、クール便の場合に別途送料がかかるほか、北海道・沖縄県・離島の一部には対応していない商品がある点に注意が必要です。
フードシェアリングサービスって色々あるんだね!楽しくお買い物しながら、食品ロスを削減しよう!
フードシェアリングサービスの注意点
ここでは、フードシェアリングサービスを利用する際の注意点について紹介します。
店舗まで取りに行く、または送料を払う必要がある
フードシェアリングサービスは、まだ食べられる食品を割安に購入できる一方、送料の負担や、店舗まで取りに行く必要があります。
宅配で行われているサービスでは、送料無料のものや、一定金額以上の購入で送料無料になる仕組みなどもありますが、お得にお買い物をする目的で利用する場合、送料負けしてしまう可能性があることに気を付けましょう。
なお、TABETEなどの店舗に行く必要があるサービスでは、急に店舗まで行けなくなってしまったり、取りに行くのを忘れてしまった場合でも返金はされません。結局食品ロスを発生させてしまうことにもなるので、利用する際は十分に注意しましょう。
キャンセル・返品は不可
フードシェアリングサービスは、基本的に賞味期限や消費期限が近いほか、パッケージに不備がある、商品リニューアル前のものであるなど訳ありの商品が多いです。
また、規格外の野菜や果物、魚などの生鮮食品を扱っている場合もあります。そのため、購入後のキャンセルや返品は不可となっているのです。
お得だからといって買いすぎたり、買ってみたけど結局食べなかった、などで結局捨てることになると本末転倒ですので、購入する際には適量を心掛けましょう。
出品のタイミングはお店次第
フードシェアリングサービスではたくさんの食品が出品されていますが、いつも同じ商品があるとは限りません。食品ロスを削減するための取り組みであるため、ロスが発生していなければ出品もされないのです。
いつも同じ商品が割安で購入できるわけではないため、どうしても欲しい商品がある場合には、正規の値段で購入するようにしましょう。
必要な時に必要なだけ使うことを心掛けて、ムダを発生させないようにしよう!
フードシェアリングサービスを利用する出品者(起業)のメリット・デメリット
これまでは、フードシェアリングサービスの特徴やメリット・デメリットを、消費者目線で紹介しました。そこで、ここでは出品者である店舗・企業にとってのメリット・デメリットを紹介します。
出品者にとってのフードシェアリングサービスのメリット
・捨てるはずだった商品で売り上げが確保できる
・企業や店舗のイメージアップにつながる
・初期導入にかかる費用は無料
食品ロスは、飲食店や食品販売店にとっては重要課題の一つです。仕入れにかかった費用がそのまま損失になるだけでなく、食品の運搬・廃棄にもコストが掛かります。フードシェアリングサービスを利用し、廃棄するはずだった商品を販売することで、売上を確保して損失を削減することができるのです。
また、食品ロスの削減に取り組んでいるということは、店舗や企業が環境に配慮していることのアピールにもなり、イメージアップにつながります。
広く利用されているサービスに出品することで、「初めて店舗を知った」「初めて利用した」という消費者が現れ、潜在顧客の掘り出しや広告効果も狙えるでしょう。
なお、フードシェアリングサービスの新規導入費用やランニングコストは無料であることが多いです。売り上げから一定の手数料が引かれますが、万が一売れなくて損をすることや、利用頻度が低いことではありません。
捨てられるはずだった食品や商品を救えるのは嬉しいよね!お店のイメージアップにもつながるのはラッキー
出品者にとってのフードシェアリングサービスのデメリット
・別途対応のための業務負担が増加する
・店舗の場合、持ち帰りに対応する必要がある
・通常より低い単価で販売することになる
フードシェアリングサービスを利用すると、割安での販売や持ち帰り・宅配など、通常の業務とは異なる対応をする必要があります。特に店舗の場合は、注文の把握、受付時間の設定、販売担当者への伝達など、細々した業務負担が増えるかもしれません。
これまで持ち帰りに対応していなかった店舗では、持ち帰り用の受け渡し場所や専用容器の用意など、導入準備の期間や費用はある程度必要となるでしょう。
また、フードシェアリングサービスの性質上、どうしても販売単価は通常より低くなります。しかし、廃棄するはずだったものが売り上げに繋がるため、デメリットよりも大きいメリットが得られると言えます。
しっかり準備をすれば、デメリットも小さくできるね!
フードシェアリング以外にも?食品ロス削減のためにできること
ここでは、フードシェアリングサービスの利用以外でも、食品ロス削減のために簡単に実行できる方法を3つ紹介します。
「てまえどり」をしよう
スーパーなどの食品売り場では、賞味期限や消費期限が近いものが手前に来るよう、商品が並べられていることが一般的です。これは、日本の商慣習である食品の「3分の1ルール」が影響しています。
3分の1ルールとは、食品の賞味期限全体を、メーカーから小売店、小売店から消費者、そして消費者が最終消費するまでの3つの期間で考え、納品・販売するというものです。
例えば、賞味期限が3ヵ月間の食品の場合、小売店は残り1ヵ月を切るまでに売らなければならないということになります。
「賞味期限がまだ先なのに値引きコーナーで売られている」という食品は、この3分の1ルールの期限が近く、返品や廃棄する可能性があるものということなのです。
スーパーやコンビニに行ったときには、今日や明日にすぐ食べるものは手前に並んでいるものから買うことで、食品ロスを削減することができます。
缶詰や冷凍食品を上手く活用しよう
食品ロスの削減には、缶詰やレトルト食品、冷凍食品など賞味期限が長い食品を活用することが有効です。
消費者庁が2017年に行った実証実験では、家庭で発生した食品ロスの原因として、多いものから順に「食べ残し(57%)」「傷んでいた(23%)」「期限切れ(11%)」であることが分かりました。缶詰やレトルト食品の利用によって、食品が傷んで捨てる可能性を大きく減らすことができます。
また、冷凍食品の活用で食べ残しを削減することができます。一般に売られている冷凍食品であれば、食べたい量だけを解凍し、残りは冷凍したままにすることが可能です。
さらに、自炊をするときでも、作りすぎてしまった分を冷凍したり、作り置きおかずとして作ることで、食べる量を調整し、食べられずに廃棄する食品を減らすことができます。
”引用:政府広報オンライン「今日からできる!家庭でできる食品ロス削減」”
余った食品はフードドライブへ
食品を買いすぎないように気を付けていても、どうしても余ってしまうときがあるでしょう。そのような場合、フードドライブという仕組みを利用することで、食品を廃棄せずに活用することができます。
フードドライブとは、家庭で余っている食品を集め、生活困窮者や福祉施設、こども食堂などの食品を必要としている団体に寄付する仕組みのことです。
公共施設や学校、イベント会場などで行われていることが多かった仕組みですが、近年ではコンビニやスーパーなどでも設置され、身近な場所でも利用できるようになっています。ファミリーマートやイトーヨーカ堂などが積極的に実施しており、対象店舗も拡大しています。
なお、寄付できる食品には条件があります。ファミリーマートで実施している「ファミマフードドライブ」の場合、賞味期限が2ヵ月以上であること、常温保存が可能であること、未開封であることが条件となっています。賞味期限が切れる直前での寄付はできませんので、注意しましょう。
実施場所によって、常設の場合と期間限定の場合がありますので、暮らしている地域でも実施しているかどうか、ぜひ調べてみましょう。
今すぐできることがたくさんあるね!日常の生活で少し意識するだけで、貢献できるかも!
まとめ
フードシェアリングサービスを利用することで、食品ロス削減に貢献できます。
消費者にとっては、美味しい食品を割安な値段で購入することができ、出品者は商品の廃棄による損失を削減することができます。
さらに、地球の環境にとっても、廃棄食品の運搬や焼却にかかる二酸化炭素削減による温暖化防止のメリットがあり、三方良しのサービスです。
フードシェアリングサービスはいくつかあり、どれも簡単に登録することができますので、自分に合ったものを気軽に利用し、食品ロス削減に貢献していきましょう。
みんながハッピーになるサービスだね!さっそく登録して使ってみよう♪