ヤマグルマ(Trochodendron aralioides)は東アジアの山地に自生しており、日本では本州、四国、九州に分布しています。標高1000mから2000mの山地でよく見られ、湿った場所や河川沿いの森林に生育しているでしょう。 樹高は10mから20mほどになり、樹皮は灰褐色で縦に裂けることが特徴です。 葉は互生し、長さ10cmから25cmの楕円形で、縁には鋸歯があります。また、葉の表面は光沢があり、裏面は白っぽい粉をふいたような感じになっています。 5月から6月にかけて、径1cmほどの黄緑色をした小さな花を密集して咲かせるのが特徴です。花序は円錐状で、雄蕊と雌蕊が同じ花にあります。 果実は秋に熟すと黒褐色をした直径約1cmの球形になり、鳥類によって種子が広がることが知られています。 ヤマグルマ(Trochodendron aralioides)は古くから存在する植物の一つで、その起源は約1億年前の白亜紀にさかのぼるとされています。 名前の由来は、葉の形が車の輪に似ていることから、山の車輪という意味で「ヤマグルマ」と呼ばれるようになりました。この名前は、日本の植物学者である伊藤圭介によって命名されたとされています。 ヤマグルマは、古い時代から現在まで生き残ってきたことから、生きた化石とも呼ばれており、その独特の形態や生態は、植物分類学の研究対象としても注目されています。また、進化の過程や植物の起源に関する研究にも貢献しているでしょう。
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