モミ(Abies firma)は、主に本州、四国、九州の山地に分布しています。耐寒性が強く、乾燥にも強いため、山地や高地でよく見られる植物です。マツ科モミ属に属する常緑針葉樹で、木材として活躍し、建材や家具として利用されています。 樹高は30m~40mに達し、幹は直立し、樹皮は灰褐色で若い頃は滑らかですが、年を経ると縦に裂けることがあります。葉は針状で、長さは1.5cm~3.5cm、幅は1mm~2mmで、上面は濃緑色、下面は白い粉を帯びた青緑色です。 花は雌雄異株で、雄花は黄色、雌花は緑色で、4月~5月に開花します。果実は長さ約7cm~12cmの円錐形で、熟すと開裂し、翼を持った種子が飛んで散布されるのが特徴です。 モミの起源は、約6000万年前の古第三紀にさかのぼるとされており、日本列島の形成とともに進化してきたと考えられています。 モミの名前は、古代日本語で「樹皮が厚い」という意味を持つ「もみ」に由来しており、日本の針葉樹の中でも特に古い歴史を持つ樹種です。 また、学名の「Abies firma」は、ラテン語で「堅固な」を意味する「firma」がつけられており、その強靭な性質を表しています。 モミは、日本の自然環境に適応し、多様な生態系を支える重要な役割を果たしてきました。そのため、日本の森林の歴史や生物多様性の研究においても、モミは重要な指標となっています。
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