トドマツ(Abies sachalinensis)は、北海道や樺太(サハリン)などの寒冷な地域に自生している針葉樹の一種で、高さは30m~40mに達し、直径は1mほどになります。また、耐陰性もあるため湿潤な土壌を好み、山地や沼地に生育しています。その美しい姿から観賞用としても人気があり、庭木や公園の樹木として植栽されることもあります。 葉は針状で、長さは1.5cm~2.5cm、幅は約2mmです。葉の上面は深緑色で光沢があり、下面には白い粉を持っています。 花は雄花と雌花があり、雄花は黄色で下向き、雌花は緑色で上向きに咲きます。果実は長さ5cm~7cmの円錐形で、熟すと開裂して種子を散布します。 建築材や家具、合板などに利用され、樹脂からは松脂やタールなどの化学製品が取れます。 トドマツは、北海道やサハリン島の冷帯気候に適応して進化しました。これらの地域では、寒さに強い植物が生き残ることができるため、トドマツはそのような環境に適応する形で発展してきました。 また、トドマツの学名「Abies sachalinensis」は、サハリン島に由来しています。サハリン島は、ロシア領であり、トドマツが多く分布していることから、この名前がつけられました。
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