ネズコ(Thuja standishii)の樹高は20m〜30mに達し、幹の直径は1mほどです。日本固有の常緑針葉樹で、その美しい樹形と独特の葉の形状から、庭木や生け垣としても利用されており、その香りが良いことから、香木としても重宝されています。 葉は鱗片状で密に重なり合い、枝は平らで独特の形状をしています。葉の表面は光沢があり、裏面には白い粉を帯びたような模様があることも特徴です。 花は雌雄異株で、雄花は黄色で小さく、雌花は緑色で球状で、果実は球状の小さな球果をしており、直径1cmほどで、熟すと茶褐色になります。 ネズコは、耐寒性が強く、湿潤な山地に生育しています。また、木材としては、建築材や家具、彫刻などに利用されることがあります。 ネズコの起源は、約2300万年前の新第三紀中新世にさかのぼるとされています。 この植物は、19世紀半ばにイギリスの植物学者ジョン・グールド・ヴィーチによって発見され、彼の名前を取って「Thuja standishii」と命名されました。 ネズコの名前は、日本の民間伝承に登場する「根付子」という妖怪が由来です。この妖怪は、木の根元に住んでおり、ネズコの木が根元から多くの枝を出す様子が、その伝承に関連していると考えられています。
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