オオシラビソ(Abies mariesii)は、日本固有の植物で、主に本州の中部から北東部の山地に分布しています。針葉樹の一種で、亜高山帯から高山帯にかけての湿潤な場所に生育し、特にブナやミズナラなどの広葉樹と混生することが多いです。 高さは20-30mに達し、幹は直立し、樹皮は灰褐色で若い時期には滑らかですが、年を経るにつれて縦に裂けるようになります。葉は線形で長さは1-2.5cm、幅は1-2mmで、上面は濃緑色、下面は白い粉を持つ2本の気孔帯があるのが特徴です。 オオシラビソは雌雄異株で、雄花は黄色で下向き、雌花は緑色で上向きに咲きます。果実は長さ約7cmの円錐形で、熟すと開裂し、翼を持つ種子が飛んで広がっていきます。 オオシラビソの学名は、イギリスの植物学者チャールズ・マリーズ(Charles Maries)にちなんで「Abies mariesii」という名がつけられました。 彼は19世紀後半に日本を訪れ、多くの植物を採集し、その中でオオシラビソを発見しました。オオシラビソは、日本の高山地帯に生育しており、特に標高1,000m以上の地域でよく見られます。日本語名の「オオシラビソ」は、オオシラ(大白)とビソ(細)の組み合わせで、樹皮が白くて細かいことから名付けられたとされています。 オオシラビソは、日本の自然景観を形成する重要な樹種の一つであり、その起源や由来は日本の高山植物相の多様性を示すものと言えます。
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