ミミズバイ(Symplocos glauca)は、日本をはじめとする東アジアに分布しているミミズバイ科に属する植物です。日本では主に本州、四国、九州の山地で見かける事ができるでしょう。山地の湿った場所や河川敷に生育し、日本では特に渓流沿いの景観を彩る植物として親しまれています。 樹高は3~5m程度で、葉は互生し、長さ5~10cm、幅2~4cmの楕円形です。葉の表面は暗緑色、裏面は白っぽい粉をふいたような青白い色をしているのが特徴です。 花期は4~5月で、枝先に径1cmほどの白い花を多数咲かせ、花冠は5裂し、花弁は広く開いています。果実は径1cmほどの球形で、青みがかった緑色をしており、秋に熟すと黒紫色に変わるでしょう。 ミミズバイの樹皮は、昔から染料として利用されており、黄色や茶色の染料が得られます。また、樹皮にはタンニンが含まれているため、皮革のなめし剤としても用いられていました。 ミミズバイ(Symplocos glauca)の和名は、葉の裏側に付いている白い粉が、ミミズが土を掘る際に出す白い粘土に似ていることから「ミミズ」という言葉が付けられたと考えられています。 さらに、ミミズバイの学名「Symplocos」は、ギリシャ語で「結合」を意味する「symploke」という言葉に由来しており、植物の花が密集して咲く様子を表しているでしょう。一方、「glauca」は、ラテン語で「青白い」を意味し、葉の裏側の白い粉に由来していると考えられています。
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