エゾノウワミズザクラの起源はユーラシア大陸です。エゾノウワミズザクラの名前は北海道のアイヌ民族が使用していた「ウワミズザクラ」が由来とされています。 また、エゾノウワミズザクラが湿地や河川敷などの水辺に生育することが多く、学名の「Prunus padus」は、ラテン語で「水辺の樹木」を意味する「padus」から名付けられました。 エゾノウワミズザクラは、ヨーロッパで「バードチェリー」とも呼ばれています。果実が鳥たちの餌となり、鳥が果実を食べて種子を広げることで分布が拡大していくからではないでしょうか。 エゾノウワミズザクラ(Prunus padus)は、北半球の温帯から亜寒帯にかけて分布している落葉高木です。日本では、北海道や本州の北部に自生しており、とくに北海道の上川地方に多く見られます。耐寒性が強く湿った土壌を好むため河川敷や湿地に生育し、木材として家具や建築材料に使われることがあるでしょう。 樹高は10~15m程度で幹は直立し、樹皮は暗褐色で縦に裂けることが特徴です。葉は卵形で先が尖り縁に鋸歯があり、長さは5~10cm程度です。 春になると、葉が展開する前に直径1cmほどの白い花が咲き、花序は円錐状になります。花の香りは強く、とくに夜間に香りが強くなることが知られています。果実は黒紫色の球形で、直径約1cmで、鳥類によって種子が広がるでしょう。
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