ダイオウマツ(Pinus palustris)は、アメリカ南東部を原産とする植物で、現在は北アメリカ南東部の湿地や沿岸平野を中心に自生しています。マツ科マツ属に属する常緑針葉樹で、木材として、建築材や家具、パルプなどに加工されます。また、樹脂も採取され、松脂やタールなどの原料として利用されています。 高さ30m以上に成長し、幹の直径は60-90cmです。樹皮は厚くて赤褐色で、大きな板状に剥がれる特徴があります。 葉は針状で長さ20-45cm、束生し、通常は3本1組でまとまっています。また、黄緑色から暗緑色をしており、光沢があるのが特徴です。 ダイオウマツは火に強い樹種であり、自然発火や人為的な火災が頻繁に起こる地域で繁茂しています。火災後には、新たな芽が出て再生する能力が高いため、火災による影響を受けにくいそうです。 花粉媒介による風媒花で、雄花と雌花が同じ樹に咲きます。果実は松かさで、長さ5-15cm、幅2-3cmの楕円形をしており、熟すと開いて種子を放出するのが特徴です。 ダイオウマツは、アメリカ合衆国南東部に起源がある植物です。名前は、ラテン語で「湿地の松」という意味を持ち、火山性土壌や湿地に生育することに由来しています。 長い葉が特徴的であることから、英語では「Longleaf Pine」という名が付けられたとされています。 日本語名の「ダイオウマツ」は、その巨大な樹高や樹齢から来ていると考えられます。樹高が30m以上に達し、樹齢は200年以上になることがあり、このような特徴から日本では「ダイオウ(大王)」という言葉が付けられました。 過去には広範囲に分布していましたが、過剰な伐採や開発により、現在ではその分布が縮小しています。
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