タブノキ(Machilus thunbergii)は、主に東アジアの温帯地域に生息しており、日本をはじめとする朝鮮半島や台湾、中国南部に広がっています。タブノキの学名はスウェーデンの植物学者カール・ペーター・トゥーンベリにちなんで名付けられました。 タブノキは、約6000万年前の白亜紀後期が起源とされており、この時期には、ベンケイソウ科の植物が幅広い地域で繁栄していたと考えられています。それらが進化したうちの一種がタブノキなのではと推測されています。 タブノキの和名は、樹皮がたぶん(多分)という意味の「多分木」という名前から転じました。これは、樹皮が薄くて剥がれやすいため、多分という言葉が付けられたと考えられています。 タブノキ(Machilus thunbergii)は、10~20m程度まで成長する常緑広葉樹で、樹皮は灰褐色で縦に割れやすい特徴があります。 葉の大きさは、長さ10~15cm、幅3~5cmの楕円形で、先端尖り、縁はのこぎりの歯の形をしています。歯の表面には光沢があり、裏面は白っぽい粉をふいたような感じで、触るとやや粘り気があります。 4~6月になると、黄緑色の小さな花を咲かせ、蜜源植物としても重要です。果実は楕円形で、熟すと黒紫色になり、直径約1cm程度になります。 樹皮や葉にはタンニンが含まれており、染料や防腐剤として利用が可能です。
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