シマサルスベリ（島百日紅）

サルスベリ科のシマサルスベリの原産地は中国南部で、日本では明治時代から栽培されるようになりました。 シマサルスベリの最大の特徴はその花です。 シマサルスベリは夏から秋にかけて、フリルのような形状の淡い紅色の花を咲かせるのですが、その美しさから観賞用として広く栽培されているのです。 シマサルスベリは他に以下のような特徴を持っています。 ・木の形状 高さ３メートルほどに成長します。 幹は灰褐色で、時が経つと樹皮は剥がれていきます。 ・葉と実 葉は対生し、楕円形で秋には黄色く色づきます。 また、実は細長く、秋になると黒く熟しますが、特に食用や薬用には利用されていません。 シマサルスベリは日当たりと水はけの良い場所を好み、寒さや剪定にも強いため、比較的育てやすい植物とされています。 そのため、庭木や公園の樹木として見かけることが多いでしょう。

シマサルスベリは夏に花を咲かせますが、花を咲かせるまでに必要な期間は種をまいてから約3年ほどです。 開花のサイクルは年に1回で、夏の特に7～9月が最も見ごろとなります。 花を長く楽しむためには、適度な水分と日当たりを確保することが大切です。 また、花が咲いてからは枯れた花をこまめに取り除くなどのケアをすると、次の花が咲きやすくなります。

シマサルスベリは乾燥に強い植物で、育てる際は適切な水分管理が大切になります。 水やりに関しては季節によって異なりますので、以下を参考にしてください。 ・春から夏 土壌が乾いたらたっぷりと水をあげて湿度を保つようにします。 ・秋から冬 乾燥は良くありませんが、過湿状態にならないよう水やりは控えめに。 目安は週に２～３回程度ですが、土壌の湿度を確認して乾燥していたら水を与えるようにしましょう。

シマサルスベリは日当たりと水はけの良い場所を好みます。 置き場所以外に、適切な土壌と適度な肥料が必要になりますので、以下を参考にしてください。 ●土壌 やや酸性から中性の土壌が最適です。 用土は腐葉土や赤玉土を混ぜたものが良いでしょう。 ●肥料 ・成長期の春：窒素を多めに含む肥料を与えます。 ・秋：リン酸やカリウムを多く含む肥料を与えて、花芽の形成を促します。

シマサルスベリは日当たりの良い場所を好み、日照量が多いほど健康に育って美しい花を咲かせます。 １日あたりの最適な日照時間は４時間以上が理想的ですが、強い直射日光は葉焼けを起こす可能性がありますので、夏場は午後の光が当たらないように半日陰の場所に移動させると良いでしょう。 シマサルスベリは高温にも比較的強いですが、猛暑日には水分補給を忘れずに。 日照時間と置き場所を調整しながら、適切な水分管理をしていくことが大切です。 シマサルスベリは寒さにも強く、冬の霜にも強い特性があります。 ただ、寒さが厳しい地域では寒さによるダメージを防ぐために風通しの良い場所に移動させることも大切です。

シマサルスベリは、剪定や切り戻しを行うことで美しい形状を保つことができます。 ・剪定の時期 春と秋、特に春の新芽が出る前が理想的です。 ・剪定の手順 まず、古かったり弱ったりしている枝を中心に切り取ります。 次に枝が密集している部分を整理するように切り、日光が均等に当たるようにします。 ・切り戻し 春に行うのが最適です。 切り戻しには、枝を短くすることによって樹形を整える効果があります。 ・剪定や切り戻しをした後 適度に水やりを行ってシマサルスベリの回復を助けます。 また、切った部分から病気に感染しないように、消毒は忘れずに行いましょう。

シマサルスベリは鉢植えでも地植えでも育てられますが、鉢植えのほうが管理が容易なので鉢植えがおすすめです。 ・植え付け 春に行うのが最適。 水はけを良くするために鉢の底には軽石や鹿沼土を敷き、水はけの良い土を入れて植えます。 ・植え替え 根が鉢いっぱいに広がったら新しい鉢に植え替えます。 ２～３年に１回、春に行うのが最適です。 ・寄せ植え シマサルスベリと同じように、夏に花を咲かせる植物と組み合わせると良いでしょう。

シマサルスベリは種まきや挿し木で増やします。 ・種まきの場合 秋に種を土にまきます。 発芽には温度15～25度の状態と適度な湿度が必要ですので、管理をしながら芽が出るのを待ちましょう。 ・挿し木の場合 春から初夏に行います。 新芽が伸びている枝を10～15センチ程度に切り、その下の葉を取り除いて土に挿します。 枝を挿す土も適度に湿度を保つことが大切です。 増やす際は、種まきよりも挿し木の方が最適です。 なぜなら、挿し木の方が成長が早く、また親の株と同じ特性を持ったまま増やすことができるからです。 シマサルスベリですが、観賞用の植物なので特に収穫する部分はありません。