カキ（柿）

カキ（学名：Diospyros kaki）の原産地は中国で、古くから栽培されてきた歴史があります。日本には飛鳥時代に伝わりました。カキの実は秋の味覚として親しまれています。 名前は、古代中国の詩「詩経」に由来しており、「美しい果実」という意味を持ちます。 豊富な栄養価とその美味しさから、健康と長寿の象徴とされています。 大きな葉と、10m以上にもなる樹高が特徴です。 春になると白色の花を咲き、その後大きな実ができます。実は熟すと色が変わり、鮮やかなオレンジ色になると甘くなります。 カキは、「甘柿」と「渋柿」が主な品種です。 甘柿は生食用で、渋柿は干し柿に向いています。 カキは寒さに強く、育てやすい植物です。

カキ（Diospyros kaki）は、「美しさ」「敬愛」「長寿」といった花言葉があります。 特に、カキの木が長く生きることに由来して「長寿」という言葉がつけられました。。 カキの花は5月22日の誕生花でもあります。 風水の世界では、カキの木は健康長寿や家庭円満の象徴とされており、幸運を招く植物です。

カキ（Diospyros kaki）の開花は4月から5月の春です。年1回のサイクルで花を咲かせます。 植え付けから約3年で開花します。 花は1週間程度と短い期間で散りますが、美味しい実がなります。 水分と肥料、日当たりの管理で花は多く健康に咲くでしょう。

カキ（Diospyros kaki）の水やりの頻度は、週に1～2回程度を目安として、季節や気候によって調整してください。 春から夏にかけては、土壌が乾いたらたっぷりと水やりを行い、土壌が湿っている状態にしてください。 秋から冬にかけては、水やりの頻度を減らして、土が乾燥した状態を保ちましょう。

カキは、排水性が良く、酸性から中性の土壌を好み、pHは5.5から6.5が良いでしょう。 用土は赤玉土や腐葉土を混ぜたものが向いています。 肥料は、春・夏・秋に一度ずつ与えてください。 春には窒素を多く含んだ肥料、夏にはリン酸・カリウムを多く含んだ肥料、秋にはカリウムを多く含んだ肥料にしましょう。 量は、春に500g、夏に300g、秋に200gを目安とし、樹齢などに合わせて調整してください。

カキ（Diospyros kaki）は、日当たりを好む植物で、日照時間は、1日あたり約6時間以上です。 ですが、強い日差しにはやや弱く、特に若木は強すぎる直射日光の下では葉焼けを起こす可能性があります。 耐寒性があるので冬季の低温にも比較的強いです。 しかし、気温が-10℃以下になると寒害を受けるでしょう。 冬季には積雪や霜から保護するために風通しの良い場所に置いてください。 耐暑性もあるので、夏季の高温にもある程度耐えられます。 ですが、35℃以上の高温が続くと、生育が止まったり、果実の品質が低下する可能性があります。 夏季には充分に水分供給を行い、強い直射日光から保護しましょう。

カキ（Diospyros kaki）は、樹形を整え収穫量を増やすために剪定や切り戻しを行います。 葉が落ちて枝が見やすい冬季が良いでしょう。 まず、病気の枝や枯れた枝、他の枝と交差している枝を切ります。 次に、下向きに伸びている枝や、中心部に向かって伸びている枝を切り、樹形を整えてください。 剪定後は、保護して切り口が乾燥しないようにします。 剪定により樹勢が弱まるので、肥料を与えて回復させてください。

カキ（Diospyros kaki）は、鉢植えでも育てられます。 地植えに比べると鉢植えは手間がかかつ栽培方法ですが、場所を選ばず育てられる利点があります。 ただし、大きく育つため、鉢の大きさや植え替えのタイミングに注意が必要です。 植え付けは春に行います。大きめの鉢を用意し、培養土を鉢に入れて植えてください。その後、水を充分に与えましょう。 根が鉢からはみ出してきたら植え替えの合図です。 一回り大きな鉢を用意し、新しい培養土を入れて苗を移植します。 寄せ植えにする場合は、カキの大きさを考えて、他の植物とバランスを取りましょう。 カキは大きく育つため、同じく大きく育つ植物と一緒に植えるのがお勧めです。

カキ（Diospyros kaki）は種まきと接ぎ木で繁殖させます。 種まきは手軽ですが、親樹と同じ品質の実はなりません。 同じ品質を保つためには、接ぎ木が良いでしょう。 接ぎ木は、2月から3月、新芽が出る前の早春に行います。 健康な枝を切り取り、接ぎ木用の台木に合わせて切り口を削ってください。 その後、接ぎ木と台木の切り口を合わせ、接ぎ木テープでしっかり固定しましょう。 これなら、親樹と同じ品質のカキを繁殖させられます。 接ぎ木は技術が必要なため、初めて行う場合は専門家のアドバイスを受けた方がいいでしょう。

カキ（Diospyros kaki）はカキノキコメツキムシや、黒星病やうどんこ病などの病害虫にかかりやすい植物です。 黒星病は、黒い斑点が葉に現れるもので、高すぎる湿度が原因で発生します。 適切な水やりと通風の管理で、湿度を下げて予防しましょう。 うどんこ病は、葉に白い粉状の菌糸が発生する病気です。 早期発見と除去で感染拡大を防ぎましょう。 カキノキコメツキムシは、カキの実を食べる害虫です。 幼虫が実の中に入り食べることで実を腐らせてしまいます。 成虫が飛来する時期に農薬を散布し予防します。