ツブラジイ(Castanopsis cuspidata)は、日本をはじめとする東アジアの山地に自生しており、別名「シイ」や「シイノキ」とも呼ばれる植物です。樹高は20m~30mに達し、樹皮は灰褐色で縦に割れやすい特徴があります。ブナ科の常緑広葉樹で、果実は野生動物にとって重要な食物源となっており、生態系においても重要な役割を果たしています。 葉は長さ10cm~20cmで、先端が尖っており、縁には鋸歯があるのが特徴です。また、葉の裏面には白い毛が密生しており、これがツブラジイの名前の由来となっています。 雄花と雌花が同じ株に咲き、4月~5月が花期です。果実は径2cm程度の球形で、表面にトゲ状の突起があり、10月~11月に熟します。 ツブラジイは、主に日本の本州、四国、九州、琉球列島、朝鮮半島、台湾、中国南部などの東アジア地域に分布している植物です。温暖な気候を好むため、日本では太平洋側の暖かい地域に多く分布しています。 学名「Castanopsis cuspidata」は、ラテン語で「カスタネア(栗)」を意味する「castanea」と、「尖った」を意味する「cuspidata」が組み合わさったものです。 日本名「ツブラジイ」は、沖縄方言で「ツブラ」が「小さい」、「ジイ」が「木」を意味することから、「小さい木」という意味があります。しかし、成長すると高さ20m以上にもなる大きな樹木であるため、この名前は若い時の姿を表していると考えられるでしょう。
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