サワシバ(Carpinus cordata)は、落葉広葉樹です。 樹高は15〜20mに達し、樹皮は灰褐色で縦に裂けることが特徴と言えるでしょう。葉は卵形で、先端が尖り、縁には鋸歯があります。 花期は4〜5月で、雌雄異株の風媒花です。雄花は黄緑色の総状花序で下垂し、雌花は緑色の穂状花序で上向きに咲き、果実は翼果で、9〜10月に熟し、風によって散布されます。 サワシバは山地や河川敷の林に生育し、湿り気のある場所を好むことも特徴のひとつです。 サワシバの学名である「Carpinus」は、古代ギリシャ語で「カリス」(karis)という言葉に由来しています。サワシバの木材が非常に硬く、耐久性に優れていることから、「角質」や「硬い」という言葉を意味する「カリス」が付けられたとされています。 また、「cordata」はラテン語で「心形」を意味し、サワシバの葉が心臓の形に似ていることから名付けられました。日本語名の「サワシバ」は、樹皮が細かく剥がれる様子が、鋸(ノコギリ)で切ったように見えることから、「鋸柴(ノコギリシバ)」と呼ばれ、それが転じて「サワシバ」となったとされています。
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