オヒルギは、マングローブという樹木のひとつです。学名はBruguiera gymnorhizaで、赤い花をつけることからアカバナヒルギとも呼ばれています。海辺の砂地に生えるこの木は、地面から真っすぐに伸びる普通の根の他に、水面の上に出ている特殊な根を持っています。この根は水の中に張り出しているように見えるので、気根と名付けられています。気根は、潮の満ち引きによって海面の高さが変わる環境で、木が生き延びるのに大切な働きをしています。 オヒルギの小さな赤い花は、集まって咲くのでとてもきれいです。実も球形で、熟すと茶色くなります。鳥に実を運んでもらったり、海の流れにのって、新しい場所で発芽することもあるでしょう。 オヒルギは、熱帯の海岸地方を中心に、世界中の温暖な地域に広がっています。東南アジアやオーストラリア北部をはじめ、海水浴場や川の河口付近など、塩分の高い環境でよく見られます。マングローブのなかでとても重要な木のひとつで、魚や貝などのすみかになったり、海岸線を浸食から守ったりする働きがあります。 日当たりのよい場所であれば、鉢植えにすることもできるので、育てやすい木として知られています。水の管理もそれほど手間がかからないので、庭先やベランダで楽しむことができるでしょう。
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