ゴバンノアシは、暖かな熱帯地域を原産とする常緑樹です。学名はBarringtonia asiaticaで、レイシ科に分類されます。日本では南西諸島や沖縄を中心に、海岸沿いのマングローブなどに生育しています。 ゴバンノアシの樹形は、高さ10m程にまで成長することがあります。葉は大型で、長さ30cm以上に達するものもあると言われています。葉の表面は濃い緑色を呈し、裏面は白みがかった色合いです。大きく広がる葉の形状が、力強さを感じさせます。 花期は春から夏にかけてで、直径5cmほどの大輪の白い花をつけます。花弁は5枚あり、中心部に長い雄しべが突き出ています。この花は夜間に開花し、ハナアブなどの夜行性昆虫を訪花客として受粉される特徴があります。 果実は秋に球形に熟し、径5cmほどの赤い実をつけます。中には多数の種子が含まれており、鳥や動物に食べられて種子散布されるのです。種子は発芽力が強く、適した環境である沿岸域で新しい木を育てます。 ゴバンノアシは、湿潤な土壌と日当たりの良い場所を好むため、水辺や海岸沿いに自生しているのが見られます。寒さに弱いため、冬季の低温には気をつける必要があります。美しい姿から庭木としても人気があり、手入れしやすい樹木です。
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