チリマツ(Araucaria araucana)は、高さは最大で40mに達します。樹齢は1000年以上になることもあり、非常に長寿な樹木です。南米チリとアルゼンチンに自生する常緑針葉樹として知られています。 独特の形状を持っており、幹は太くて直立し、枝は水平に広がります。葉は厚くて硬い三角形で、表面は光沢があり、先端は鋭く尖っているのが特徴です。 チリマツは、雌雄異株であり、雄球果と雌球果が別々の個体につき、雄球果は長さ約10cm、雌球果は直径約15cmで、成熟すると重さが2-3kgにもなります。 チリマツの木材は、建築や家具製作に利用されることがありますが、その特徴的な形状から、特に庭園や公園などの景観植物として重宝されています。 チリマツの起源は古く、約2億年前の中生代にまでさかのぼります。この時代には、アラウカリア科の植物が広く分布していましたが、気候変動や大陸の移動によって分布が狭まり、現在では限られた地域にしか生息していません。 名前は、チリの先住民族であるアラウカニア人(Mapuche)から由来しています。この植物は彼らの文化に深く根ざしていました。そのため、チリマツはチリの国の象徴ともなっており、国章にも描かれています。
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