ヤシャブシ(Alnus firma)は、日本をはじめとする東アジアの山地に自生していて、樹高は20m程度になり、樹皮は灰褐色で縦に裂ける特徴があります。カバノキ科ヤシャブシ属に属する落葉広葉樹で、湿度の高い場所を好むため、河川敷や湿地でその姿を確認することが出来るでしょう。 葉は卵形で先端が尖り、縁には鋸歯があります。葉の表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色で毛が生えています。 花期は春で、雌雄異株のため、雄花と雌花が別々の樹に咲き、果実は翼果で、秋に熟し、風によって遠くまで飛ばされることがあります。 ヤシャブシは日本や朝鮮半島、中国南部に分布していることから、東アジア地域がその起源と考えられます。適応力が強く、様々な環境で生育することができるため、広範囲に分布していると考えられています。 ヤシャブシの学名の「Alnus firma」は、ラテン語で「堅固な」を意味する「firma」が由来となっています。この名前は、ヤシャブシの木材が堅くて強いことにちなんで付けられたとされています。また、日本語名の「ヤシャブシ」は、樹皮の色が黒く、幹がまっすぐ伸びる様子が鬼のように見えることから、仏教における鬼神「夜叉」に由来しています。
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