骨董品の買取相場は?買取業者の選び方|高く売れるポイント・注意点も解説
骨董品を売りたいけど高く売れるのか、買取相場はいくらぐらいなのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。骨董品のジャンルはさまざまで、それによって売れるもの売れないものとがあります。
また、買い取ってもらった店舗や、骨董品を売る時の状態などでも、買取金額に差が出ます。高く売るためのポイントや注意点を知っておくだけでも、買取時の金額が変わってきます。
この記事では、どのような骨董品が売れるのかだけでなく、買取に出す方法や買取店を選ぶポイントなども解説していきます。査定に影響する保管方法や手入れの仕方もご紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
- 高く売れる骨董品の種類と相場
- 買取店の選び方と買取方法
- 高く売れる骨董品のポイントと注意点
骨董品の定義とは?
骨董品とは、古い品物の中でも希少価値の高い美術品や工芸品のことを言います。
アメリカでは製造から100年以上経った美術品や工芸品を骨董品と法律で定義していますが、日本ではそこまで具体的な定義はありません。そのため、比較的新しい時代の作品でも、マーケットや買取店によって希少価値があると判断されれば、骨董品として扱われる品物もあります。
また、骨董品の中でも、売れるものと売れないものに分かれます。よく売り買いされる骨董品は扱う買取店が多かったり、オークションでもそのジャンルは人気が高いので、売れやすいかどうか判断しやすいでしょう。
骨董品は価値のある古いもの。でもその価値は人が決めるから、はっきりした定義は難しいね。
買取してもらえる骨董品の種類と相場は?
ここでは、人気のジャンルや買取してもらいやすい骨董品の種類や相場について、解説していきます。
掛け軸
日本の骨董品の代表のひとつともいえるものに、掛け軸があります。内容は書や画になりますが、掛け軸の価値を決めるポイントとしては、作品の良し悪しというより誰の作品なのかが重要です。
さらに、それが本物か偽物かが、高額査定になるポイントになってきます。そのため、鑑定書など本物である証明がないと、高く売れにくくなると言えるでしょう。
高く売れるかどうかは、作家の人気度や希少性で判断されます。
そのため、決まった基準の買取相場はありませんが、掛け軸はもともと人気があり、比較的買取金額がよい傾向にあると言えるでしょう。しかし、生活様式の変化に伴い掛け軸を掛ける家も減り、価値も下がりつつあるようです。
陶磁器
陶磁器も骨董品として人気が高いジャンルで、備前焼や伊万里焼、唐津焼などの産地で区分されます。
そのため、陶磁器は作者や作られた時代だけでなく、産地がどこなのかでも価格が変動するのが特徴です。有名な産地で時代が古く作者も著名であれば、買取相場も上がるため高額な買取価格が期待できるでしょう。
絵画
絵画も骨董品として人気が高く、有名な画家にはかなりのコレクターが存在するのも人気の理由の一つです。
絵画もやはり誰の作品かで買取相場も影響を受けやすく、ゴッホやピカソなど絵画好きでなくても誰もが知っている画家の作品は、とてつもない金額で取引されます。
また、絵画は現代アートというジャンルもあり、それほど古くなくても画家の知名度やモチーフによって、かなりの高額になることもあります。
茶道具
茶道具は茶道で使われる道具の総称で、茶碗だけでなく水差しや棗、茶入れ、花入れなど、その種類は多いです。
特に注目されがちなのが茶碗ですが、陶磁器としても価値のある茶碗は、焼き方や作家によって億単位の買取相場がつくものも存在します。
無名の作品も数多くあるため、全体の買取相場は低めですが、価格のふり幅が大きい点も茶道具の特徴と言えるでしょう。
貴金属
貴金属も、歴史の古いものは骨董品になります。貴金属の買取相場が決まる一番のポイントは、その材質です。
金やプラチナ、ダイヤモンドなど、希少価値が高いものは、骨董品としての取引でも相場は高くなります。さらに、ひび割れなどがなく状態も良ければ、高額査定が期待できるでしょう。
ほかにも、有名なブランド品であるとか、カットの仕方に希少性があれば、それも査定の対象となります。
その他
紹介してきた以外にも、骨董品と呼ばれる種類は次のようにたくさんあります。
- 彫刻
- 家具
- 古銭・コイン
- 刀剣
- 甲冑
- 象牙
- 銀食器
- ガラス製品
- レトロおもちゃ
- 中国美術品
- 時計
- 香木
どれも一定のコレクターがいる分野です。これらのジャンルのもので、所有している品物が骨董品かどうか気になる場合は、買取店で査定してもらうとよいでしょう。
骨董品にははっきりとした定義がないから、ガラクタだと思ったものが実は価値のあるものだったなんてこともあるよ。
骨董品の買取店を選ぶ4つのポイント
骨董品の買取相場を知るには査定してもらうのが一番ですが、買取店はどうやって選べばよいのでしょうか。選ぶポイントは、次の4つあります。
- 専門の鑑定士がいる
- 売りたい骨董品の買取実績がある
- 幅広い販路を持っている
- 無料査定や出張査定がある
それぞれの理由を、解説していきます。
骨董品の専門鑑定士が在籍している
骨董品を査定するには、作家や年代、材質や作られた時代背景など、あらゆる知識が求められます。
また、骨董品の真贋を見極めるには、知識だけでなく実績も必要です。そのためには、売りたい骨董品の専門の鑑定士がいることが重要になってきます。専門外の鑑定士だと、正しい価値がわからずに、実際の買取相場より低い金額を提示されることもあるからです。
買取店を選ぶ時には、鑑定士のプロフィールなどがホームページで紹介されていたりするので、チェックしてみるとよいでしょう。
鑑定士にも一つのジャンルに特化した人や、複数のジャンルに詳しい人などいろいろいるよ。
売りたい骨董品の買取実績がある
売りたい骨董品の買取実績があるかどうかも重要です。
買取店には、ジャンルに特化した店舗や幅広いジャンルの骨董品を扱う店舗など、いろいろあります。その中でも気を付けたいのが、売りたい骨董品を扱っているかどうかです。
どのような品物を扱っているか、売りたい骨董品の買取実績があるかは、ホームページを見れば大抵分かります。買取店を選ぶ時は、そういった情報もしっかりチェックしてから依頼しましょう。
査定を依頼する前に、買取事例や実際に販売している骨董品を見てみよう!
幅広い販路を持っている
幅広い販路を持っていれば、買取した骨董品を売りやすいので、高額査定も期待できます。
売れる手応えがあれば、買取店は骨董品に高い査定額をつけてくれる可能性があるからです。個人への販売やマーケットへの放出など、販路にもいろいろあります。
それらを素人が知ることは難しいですが、査定をしてもらった時にあまりに安かったり評価が低かったりする場合は、その骨董品の販路がない可能性も考えられます。
買取店が売る自信のある骨董品は、比較的高い査定額をつけてもらいやすいよ!
無料査定や出張査定がある
専門の鑑定士がいて買取実績のある店舗は、無料査定や出張査定をおこなっているところも多いです。
下手に手数料を取ったりしなくても、十分経営していける信頼や資産があるからと言えます。
しかし、査定が無料だから、出張に来てくれるからといっても、悪徳な買取店がないとは断定できません。これも一つの選択肢として、ほかのポイントと複合的に捉えるとよいでしょう。
なぜ出張査定が買取店を選ぶポイントになるかは、次の見出しでも紹介しているよ。
骨董品の査定や買取方法
骨董品の査定や買取方法には、次の3つがあります。
- 出張査定による買取
- 持ち込み査定による買取
- 宅配査定による買取
それぞれどのようなシステムなのか、順番に解説していきます。
出張査定による買取
出張査定は、骨董品が保管してある自宅や倉庫に鑑定士が来て、その場で査定してくれる方法です。
骨董品の所有者は品物を持ち運ぶ必要がなく、査定額に納得できればたいていその場で買取りしてもらえます。もちろん、すぐに決断しなくても、後日買取をお願いして取りに来てもらうことも可能です。
持ち出す際の梱包や搬出作業も買取店で行ってくれることが多く、手間なく処分したい方におすすめです。
持ち込み査定による買取
持ち込み査定は、骨董品を自分で買取店まで持って行き、店頭で査定してもらう方法です。
その場で査定してもらえることもありますが、品物によっては一旦預けて後日査定結果を連絡してもらうこともあります。査定したからといって必ず買取してもらう必要はなく、納得いかなければ断って持ち帰れば大丈夫です。
買取店が近ければ、持ち込み査定もそれほど大変ではありません。しかし、骨董品の数が多かったりサイズが大きい場合は、持ち運びが大変で傷つけたり破損するリスクもあります。
宅配査定による買取
買取店が近くになかったり、出張のエリア外だったりする場合は、宅配による査定や買取方法もあります。
宅配で大変なのは、梱包や発送の手続きです。骨董品は繊細なものが多いので、梱包中や配送のトラブルで、傷ついたり破損したりというリスクも考えられます。
宅配業者によっては美術品専用のサービスもあるので、高価な骨董品はそちらを利用するとよいでしょう。専用サービスでは、梱包も宅配業者が行ってくれるので、それほど手間ではありません。
骨董品によって買取方法を選ぼう!
大きさや壊れやすさなどは、骨董品の種類によって異なります。
小さくて簡単に持ち運びできるものは持ち込みで、大きくて動かすのが大変なものは出張査定を選ぶなど、骨董品の種類や状態によって査定や買取方法を決めるとよいでしょう。
その際に重要なことは、信頼できる買取店を選ぶことです。リスクを背負ったりトラブルに遭ったりしないためには、買取店のチェックも怠らないようにしましょう。
どの買取方法を選ぶかは人それぞれ。何かあった時に対処してくれる、信頼できる買取店を探すことが第一だよ。
骨董品を買取に出す時にチェックすることは?
信頼できる買取店を選ぶためには、事前に次の3つをチェックしておくことも大切です。
- 買取相場を調べる
- 査定後にキャンセルできるかどうか調べる
- 買取店の口コミをチェックする
どれも、インターネットで検索すれば、ある程度の情報は出てきます。
買取相場を調べる
査定に出す前に、おおよその買取相場を調べておきましょう。
骨董品は時価での取引になるため、相場の明確な基準はありませんが、現時点で取引されている金額を知っておくだけでも十分です。
あまりに低すぎる査定だった場合に、買取店に理由を聞いたり、ほかでも調べてみたりなど、判断する材料になります。
複数の買取店に査定してもらった平均額も、おおよその買取相場になるよ。ひとつのお店だけで判断しないことだね。
査定後にキャンセルできるかどうか調べる
査定後にキャンセルできるかどうかの確認も大切です。
査定額が納得いかなかった時に、キャンセル料を取られたり、品物を返してもらえなかったりする可能性もあり得ます。出張査定でキャンセルしようとしたら、別で出張料がかかると言われるケースもあるでしょう。
無料で査定してもらえるのか、キャンセルした場合に何か費用がかかるのかなど、事前にしっかり確認しておくことです。
査定後にキャンセルできませんとか、手数料がかかりますとか言われないように、ホームページや問い合わせの時に聞くなりして、チェックしておこう!
買取店の口コミをチェックする
ホームページや問い合わせの時のスタッフの応対はすごく良かったけど、実際に利用したらあまり良くなかった、トラブルになったというケースもあります。できれば、実際に利用した口コミもチェックしておくとより安心です。
ホームページで紹介されているお客様の声ではなく、口コミサイトや知恵袋などで紹介されているものの方がリアルだよ。ただし、そっちも絶対正しいわけじゃないから、あくまで参考程度に留めておこう!
高く売れる骨董品の3つのポイントとは?
高く売れる骨董品のポイントは、次の3つが挙げられます。
- 鑑定書などの付属品が揃っている
- 保存状態が良い
- 需要の高いジャンルである
骨董品を買取に出す前に、忘れずにチェックしておきましょう。
鑑定書などの付属品が揃っている
鑑定書は、その骨董品が本物であることを証明する大事なものです。
過去に鑑定されたことがあれば、鑑定書や保証書は必ず発行されています。鑑定書がないことで価値がつかない骨董品も、鑑定書や保証書があるだけで高額査定になることもあります。
買う時も売る時も鑑定書等は重要になってくるので、しっかり管理してあるか確認しましょう。
他にも、梱包してある紙や布、箱、説明書など、付属品は揃っているほど査定額のアップに役立ちます。全部一緒に保管しておくのが理想ですが、いざ売りに出すという時にすぐ揃えられるように分かりやすく管理しておきましょう。
有名な作家の作品だと伝えられていても、鑑定書がなかったら認められなかったり査定額が低いこともあるよ。
保存状態が良い
骨董品の保存状態も、査定額を付ける際に影響します。
有名な作家の作品であっても、保存状態が著しく悪ければ、当然査定額も減額されるでしょう。有名な作家の作品ではなくても、保存状態が良ければそれなりの金額で売れることもあります。
傷や汚れ、カビ、日焼けやヒビなど、もともとある場合はしょうがないですが、保管している時にそういったことがないよう定期的に手入れするなど、気を付けておくことが大切です。
保存状態については、次で紹介する保管やお手入れの注意点も参考にしてね!
需要の高いジャンルである
骨董品と言っても、人気の高いジャンルとそうでもないジャンルとがあります。
人気の高いジャンルは取引市場で需要が高いため、高額な取引になりやすいです。もともと人気があり常に需要が高いジャンルもありますが、何らかのきっかけで人気が出て一気に需要が高まるケースもあります。
買取店や鑑定士は査定するためにそういったトレンドも把握している必要があるので、査定に出す時に聞いてみるのもおすすめです。
今何が人気あるのかは、やっぱり専門の鑑定士に聞くのが一番だね!
骨董品の保管やお手入れの注意点は?
骨董品は、保存状態がダイレクトに査定額に影響します。ここでは保管方法やお手入れの注意点を解説していきます。
保管場所の3つのポイント
骨董品の保管場所は、次の3つのポイントが大切です。
- 風通しが良く、日が当たらない
- 湿度対策ができている
- スペースに余裕がある
どういうことか、順番に見ていきましょう。
風通しが良く日が当たらない場所
骨董品の保管場所は、風通しが良く日が当たらないところを選びましょう。
日光は、骨董品の劣化を引き起こします。素材によっては日焼けしてシミになってしまうこともあるでしょう。また、風通しが悪い場所は、骨董品がカビたり歪む原因です。
日に当たったり風通しが悪かったりする場所に置いてある場合は、場所を移動させて傷んだり劣化したりしていないか確認しましょう。
湿度対策ができている
倉庫や押し入れは、日が当たらない場所でも風通しはいいとは言えません。
換気窓がある倉庫は時々風を通せばよいですが、押し入れは以外と湿度が上がりやすいです。どうしてもそこに保管するのであれば、新聞紙に包んだり除湿剤を置くなど、湿度対策をするとよいでしょう。
スペースに余裕がある
置き場所に余裕がないと、骨董品同士がぶつかって破損する恐れがあります。
なるべくゆったりと置けるスペースを確保するのが理想です。置いてある時はよくても、出し入れする時にぶつけたりして破損する可能性もあり得ます。
スペースを確保するのが難しい場合は、傷がつかないように箱に入れるなど、対策をしておきましょう。
ゆったりとしたスペースと骨董品にとって最適な場所で保管することが、長く良い保存状態を保つコツだよ!
お手入れ時の3つのポイント
次はお手入れの方法です。次の3つのお手入れをおすすめします。
- 晴れた日に行う
- 手袋やマスクをして行う
- 定期的に陰干しをする
それぞれ、理由を説明していきます。
お手入れは晴れた日に
簡単にホコリを払うだけでも、骨董品をきれいに保存しておくことができます。
そのためには定期的にお手入れするのが理想ですが、お手入れするなら晴れた日に行ってください。雨の日は湿度も高く、骨董品にはよい環境ではありません。
天気のいい日に、直射日光の当たらない風通しの良い部屋でお手入れをしましょう。
手袋やマスクをして行う
お手入れする時は、手袋やマスクをして行うことも大切です。
素手で触ると手垢がついたりして、汚れの原因になります。また、ホコリを被った骨董品を扱うと、くしゃみをして骨董品を汚す可能性もあるので、マスクも必須です。
定期的な陰干しも必要
湿度対策をしていても、湿気がこもったりすることもあります。
定期的に出して陰干しをすれば湿気予防にもなりますし、骨董品の状態を確認できるので一石二鳥です。頻繁に行う必要はありませんが、ずっとしまいっぱなしだといざ売ろうとしたときに状態が悪かったとなりかねません。
少なくとも1年に1回は、様子見も兼ねて陰干しをしてみましょう。
骨董品のお手入れは、今の骨董品の状態をチェックするいい機会にもなるね!
まとめ
骨董品は時価で取引されるため、明確な買取相場がありません。しかし、有名な作家の作品だったり人気のジャンルだったりと、ある程度基準となる目安はあります。
好きなものを所有するのが骨董の楽しみですが、財産として考えるなら売る時に価値があるかも必要な要素です。
また、売る時は買取店の選び方や骨董品の保存状態によって、査定額に大きく差が出ることもあります。
なるべく高く売るためには、事前に調べたりいい状態で売れるように準備したりと、やっておくべきこともいろいろあるでしょう。それらを知っているかどうかだけでも、買取金額が変わる可能性があります。
骨董品を売りたい方も、持っているけれど売る予定はない方も、知っておいて損はないので、ぜひこの記事を参考に骨董品を大切にしてください。