ハマゴウ(Vitex rotundifolia)は、日本では主に海岸や砂浜に生育しており、分布域は、東アジアやオセアニア、ハワイなどの太平洋諸島にも広がっています。 葉は対生し、楕円形で縁に鋸歯があり、表面は光沢があります。また、裏面は白っぽく、葉柄が短いのが特徴です。 花期は5月から9月で、円錐状の花序を形成し、花冠は唇形で、上唇が2裂、下唇が3裂している青紫色の花を咲かせます。その後、直径1cm程度の球形で、熟すと黒紫色になる果実が実ります。 また、塩分に強い耐塩植物という特徴もあり、砂浜や海岸の植生保護に役立つほか、利尿作用や鎮痛作用がある薬用植物としても利用され、漢方薬では「門中葉」と呼ばれています。 ハマゴウ(Vitex rotundifolia)の起源については、東アジアの海岸地域が原産地とされています。 また、日本でも古くから親しまれており、江戸時代の著名な植物学者である伊藤圭介が記した『本草綱目』にも記載されています。このことから、少なくとも江戸時代には日本に存在していたことがわかります。
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