ヤドリフカノキ（宿り鱶木）

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、台湾や中国南部の山地を起源としており、アジアの熱帯地域を中心に分布しています。 学名はドイツの植物学者ヤーコプ・クリスティアン・シェフラーにちなんで名付けられました。 独特の葉の形状や美しい緑色から、世界中で観葉植物として人気があるため、起源地である台湾や中国南部から、世界各地に広まっていると考えられます。 ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、台湾や中国南部を原産とし、日本では観葉植物として人気のある植物です。 5枚から10枚の小葉が放射状に広がっており、長さは5-10cm、幅2-4cmで、縁はノコギリ状になっています。また、葉は緑色で表面には光沢があるのが特徴です。 夏から秋にかけては黄色い花を咲かせますが、室内で育てると咲かないケースもよくあります。果実は、直径約5mmの球形で、熟成すると黒くなります。 日陰に強く、湿度が高い環境を好みます。水はけの良い土を使用し、乾燥に注意しながら水やりを行うことが大切です。また、室内栽培では、冬場の低温に注意し、10℃以上を保つようにしましょう。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、「繁栄」「幸運」「健康」などの花言葉を持ちますが、成長力の強さや豊かな緑の葉から連想されたようです。 代表的な花言葉として、「繁栄」があり、ヤドリフカノキの持つ生命力の強さや緑の葉が多くの人々に繁栄を象徴すると考えられています。家庭やビジネスなど、さまざまな場面で繁栄を願う際に用いられるのがケースが多いです。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、土が乾いたときに水を与えることが大切で、春から夏にかけては、週2回程度の水やりが望ましいでしょう。ただし、気温や湿度によって頻度は変わるため、土壌の湿度を確認しながら調整してください。 秋から冬にかけては、水やりの頻度を減らし、週1回程度の水やりが適切です。室内で育てる場合は、暖房によって乾燥が進むことも考えられるため、土壌の湿度を確認し、必要に応じて水やりの頻度を増やす必要があります。 水やりは、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのがおすすめで、水はけの良い用土を使用すると、根腐れを防げます。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、やや酸性で水はけの良い軽い土壌を好みます。そのため、赤玉土や腐葉土を混ぜた培養土がおすすめです。 生育期となる春から秋にかけては、月に1回程度、液体肥料を与えることが望ましいですが、夏場は高温によるストレスと重なるため、肥料の量を減らしてください。 冬季は、生育が遅くなるため、与える肥料も減らし、2ヶ月に1回程度でよいでしょう。肥料の種類は、バランスの良い化成肥料や有機肥料が適しています。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、5℃以下になると弱る可能性が高まり、霜や凍結には耐えられません。外での管理は難しくなるため、冬季には室内で育てるのが望ましいです。一方で、暑さには比較的強く、30℃前後の高温にも耐えられます。 ただし、成長を活発化させるには、15℃から25℃の範囲を保つことが重要です。冬季には、この温度帯の維持が難しくなることも考えられるため、10℃以上を目安にすると良いでしょう。 最適な気温を保つため、室内で育てる場合、暖房器具を利用して適切な温度を維持し、直射日光が当たらない明るい場所に置きます。温室で育てる場合は、温度調節ができる設備を利用して、適切な温度を保ってください。 ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、日光が強い場所を避け、風通しの良い半日陰の場所に置いておくことで、夏を越すことができます。また、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えることも重要と言えるでしょう。 冬越しは、室内で管理します。室内での温度は10℃以上を保ち、直射日光が当たらない明るい場所に置いてください。また、冬場は乾燥しやすいため、加湿器を使用するか、霧吹きで葉に水を与えることで湿度を保ちましょう。 寒さに弱いため、霜や凍結に注意して管理してください。 ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、強い直射日光に当てると、葉が枯れる原因となりうるため、明るい半日陰や日陰で育てるのがおすすめです。 反対に、日照量が少なくなると、成長が鈍くなり、葉の色が悪影響を与えます。日照量の目安としては、1日に4～6時間程度です。 鉢植えの場合、窓際やベランダなどに置いて、日光を確保するのが望ましいですが、直射日光が強い場合は、カーテンや日よけで遮光することが効果的です。また、日差しが強くなる時間帯は、日陰に移動させるのも良いでしょう。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、大きく育つケースが多いため、春から夏にかけての剪定が必要となります。剪定では、枝の先端を切り落とし、古くなった葉を取り除くことが一般的です。 切り戻しも、成長しすぎた場合に実施する方法、剪定と同じく春から夏にかけて行います。切り戻しのは、樹形を調整や、新芽を出して成長を促すことが目的です。幹の上部を切り落とすケースが多いですが、身長に進めなければなりません。過度に切り戻しを行うと、ヤドリフカノキが弱る可能性があります。 また、剪定や切り戻しを行う前に、ヤドリフカノキの生育度合いをチェックすることも大切です。剪定の際は、1年目の枝を3分の1程度、2年以上の枝を半分程度切り戻します。 また、切り戻しでは、幹の太さに応じて適切な高さで切り戻しを行い、1回につき3本程度にとどめることが望ましいです。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、春から夏の時期で植え付けが最適です。植え付ける際は、鉢底に石や陶器片を敷いて排水を良くし、用土は栄養分が豊富なものを選びます。根が空気に触れるのを防ぐため、土を押さえ込む必要があります また、現在の鉢では音が収まらなくなった際には、植え替えを行ないます。これも植え付け同様、春から夏が最適です。実施する際は、古い土を取り除いてから、新しい用土に植え替えます。根の長さを整える場合は、植え替える鉢の大きさに合わせて、剪定することが多いです。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）を増やす方法に株分けがありますが、これは、本体を2つに分けて、それぞれを育てることで数を増やします。 また、挿し木でも増やすことができ、実施する際は、ハサミや入れ物、挿し木用の土、3号鉢、鉢底石、鉢底ネット、割り箸のような棒を用意すると良いでしょう。枝は先端から10cm程度の長さにカットし、切り口をV字にカットすることで吸水できる面積を増やします。先端の葉を2～3枚残し、他のものはカットします。また、葉が大きい場合は半分にカットします。 最後に、水を入れた浅めの容器にヤドリフカノキの切り口を数時間入れ、吸水させます。その後、挿し木用の小さめの入れ物に挿し木を植えます。この際、挿し木が倒れないように、割り箸のような棒を利用して支えるのがポイントです。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、気をつけるべき病害虫がいくつかあり、代表例として、赤斑病や黄変と乾燥、水不足による病気や害虫があります。 赤斑病では、植物に赤色の斑点があらわれる病気で、早期発見と対処が必要です。黄変と乾燥は、加齢によって起きることが多く、定期的な剪定や肥料の与え方で防げます。 水不足は、植物に十分な水分が供給されないことにより、葉がしおれたり、茶色く変色したりする現象です。水やりの頻度や量を調整し、土壌の水はけを良くすることで予防できます。 害虫には、早期発見と対処が必要で、殺虫剤の使用や天敵の導入などが有効です。

ヤドリフカノキ（Schefflera arboricola）は、犬や猫に対して毒性を持ちます。全ての部位にカルシウムオキシレートという結晶が含まれており、犬や猫が誤って食べると、口や喉に刺激を与えるので注意が必要です。 接種すると、犬と猫のどちらに対しても、唾液の過剰分泌、口の痛み、嘔吐、食欲不振などの症状が現れることがあります。 大量に摂取した場合や、症状が重篤な場合には、獣医師の診察が必要となることがあるため、犬や猫が触れない場所に植えてください。