クサトベラ(Scaevola taccada)は、オーストラリア、インド洋、太平洋の熱帯・亜熱帯地域に自生する常緑の低木です。強い塩害に耐える能力があり、海岸線の保護や砂防に役立っています。また、葉や果実は民間薬として用いられてます。 この植物は、高さ1-4mに成長し、葉は厚くて光沢があり、長さ10-20cm、幅2-3.5cmの楕円形です。葉の縁は全縁で、先端は鋭く、基部はくさび形をしています。 花は白色で、径約2.5cm、5枚の花弁が左右非対称な扇形をしており、独特の形状が特徴です。花期は通年で、花は枝先に単独で咲きます。 果実は球形で、径約1cm、熟すと白くなるのも特徴の一つです。 クサトベラ(Scaevola taccada)の起源は、オーストラリア大陸やインド洋の島々とされており、そこから太平洋地域へと広がっていったと考えられています。 クサトベラは、海岸近くの砂地や岩場に生育し、海水に浮かんで遠くまで運ばれることができるため、広範囲に分布することができました。また、日本では「ハマトベラ」とも呼ばれており、その名前は、植物の形状がトベラ(手毬)に似ていることから来ています。 この植物は、古くから海岸線の防風林や砂防の役割を果たしてきたことから、その生育地域の人々にとって重要な存在であると言えるでしょう。
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