ナギイカダ(Ruscus aculeatus)は、地中海沿岸地域を中心に分布しており、日本では、主に観賞用として栽培されていることが多いです。日陰を好むため、庭木や生垣として植えられることが多く、その美しい姿から観賞価値が高いとされています。 この植物の最も特徴的な点は、葉のように見える部分が実際には茎であることです。これらの茎は、扁平で緑色をしており、葉状茎(クラドディウム)と呼ばれます。 また、ナギイカダは雌雄異株であり、雌の植物には赤い実がつく植物です。この赤い実は、鳥によって食べられることで種子が広がり、繁殖が行われます。 その根は利尿作用や抗炎症作用があるとされ、薬用植物としても利用される植物です。また、若い茎や葉状茎は食用にもなり、地中海料理では煮物やサラダに使われることがあります。 ナギイカダは、ユーラシア大陸の地中海沿岸地域を中心に分布し、その起源は、古代ギリシャやローマ時代にさかのぼります。 この植物は、古代ギリシャの神話に登場するナルキッソスと関連付けられているほか、古代ローマでは、アポロン神のシンボルとされていました。 学名「Ruscus aculeatus」は、ラテン語で「トゲのある小枝」を意味し、その名の通り、葉の先にトゲがあります。この特徴から、古代ギリシャでは、ナギイカダは邪気を払う力があると信じられていました。 また、冬でも緑色を保ち、生命力が強いことから、古代から縁起物とされ、ヨーロッパではクリスマスの飾り付けにも使われることがあります。
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