ヤマナシ(Pyrus pyrifolia)は、日本では、主に本州、四国、九州の山地に自生しています。日本を中心とした東アジアを原産地としたバラ科に属する落葉高木で、庭木や街路樹でよく見かける事ができるでしょう。 この植物は、高さが10m程度に成長し、春には白い花を咲かせ、花は5枚の花弁があり、直径約2cmで、芳香があります。 葉は、長さが8-15cm、幅が4-7cmの楕円形で、縁には鋸歯があって、葉の表面はつやがあり、裏面は白っぽい毛が密生しているのが特徴といえるでしょう。 果実は、直径約4cmの球形で、熟すと黄色になり、ビタミンCが豊富に含まれており、健康に良いです。また、果肉はやわらかく、甘みと酸味があり、食用にも利用されます。 ヤマナシは、東アジア地域が起源とされる植物で、その名前は、山中に生えるナシの木を意味し、日本では古くから親しまれている果樹の一つです。 また、ヤマナシは、中国で約3000年前から栽培されていたとされ、その後日本や朝鮮半島に伝わりました。日本では、古墳時代から奈良時代にかけて、ヤマナシが栽培されるようになり、平安時代には広く普及したとされています。 ヤマナシは、中国原産のアカメガシワ(Pyrus ussuriensis)との自然交配によって、数多くの品種が生まれ、これらの品種は、日本や朝鮮半島で独自に栽培され、地域ごとに特徴的な果実が育てられるようになりました。
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