クサキョウチクトウ（草夾竹桃）

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）が「クサキョウチクトウ」と呼ばれているのは明治時代からで、大正期から戦後にかけては「オイランソウ」という名でした。ただし、現在の学名の英語読みである「Phlox paniculata」はフロックス・パニキュラータと呼ばれることが多いです。 クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、世界各国で観賞用植物として栽培されています。茎は直立し、高さは90〜120cmに成長。木質の根茎があり、大きな茂みになります。 花は、夏から秋にかけて咲き、白、ピンク、赤、紫などの色があり、大きさは1.5〜2cmで、花弁は5枚です。花の開花期間は長く、花期中にはたくさんの花を咲かせるため、花壇や庭園のアクセントとして、また切り花としても人気があります。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）の花言葉は「温和」で、小花が集まって咲く姿に由来します。また、属名の学名「Phlox（フロックス）」には、「合意」「一致」の花言葉があります。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、鉢植えの場合、週に1回水やりが必要です。表土から3センチメートルの土がよく乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり注ぎます。 ただし、水はけがよく、水をたくさん吸う植物ではないため、過剰な水やりは避ける必要があります。水やりの頻度や量は、気温や湿度によって変わるため、植物の状態を見ながら調整してください。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、肥沃な環境を好むため、庭植えの場合は元肥として堆肥や腐葉土、緩効性化成肥料を用土に混ぜ込むことが推奨されています。 肥沃な環境を好むため、元肥を与えることでより美しい花が咲きます。花が終わった後には、肥料を与えることで次の花を咲かせることができるでしょう。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、耐寒性を持つため、冬期の低温にも耐えます。ただし、耐暑性は優れておらず、高温多湿に弱いため、涼しい環境のもと栽培するのが理想的です。 例えば、日中は20℃、夜間は10℃といったように、昼夜の温度差が5℃以上あるとよいでしょう。これは、昼間に蓄えた栄養分を夜間に回すことで、花をより豊かに咲かせるためです。 クサキョウチクトウ,オイランソウ（Phlox paniculata）は、耐寒性に優れた植物のため、外であっても冬越しできます。冬に地上部が枯れますが、春に再び芽吹くため、冬の間は水やりを控えておいて問題ありません。 また、日なたから半日蔭で育津特徴があり、耐暑性は品種によって様々です。暑さに弱い品種だと夏に葉を枯らすケースも有るため注意しなければなりません。 クサキョウチクトウPhlox paniculata）は、日当たりに注意することが重要で、日なたから半日陰の肥沃な場所が適しています。直射日光が当たる場所よりも、日陰がおすすめです。

クサキョウチクトウ,オイランソウ（Phlox paniculata）は、花が終わった後に茎が伸び続けます。剪定や切り戻しを行うことで、植物の形を整えることができ、栄養が茎の先端に集中するため、花がより豊かに咲くようになります。 切り戻しは、剪定よりも茎を根元から大幅に切るので、2〜3年に1回行うことが望ましいです。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、春または秋に植え付けができます。日当たりの良い場所で浅い穴に植えることが望ましく、植え付け前には、土壌をよく耕し、堆肥を混ぜることが大切です。植え付け後は、十分に水を与えましょう。 成長が早く、植え付けから1年目から花が咲きます。その後は、花を摘み取ることで花期を延ばすことができます。また、花を切り取る際には、茎を傷つけないように注意しましょう。 植え替えは、成長しすぎた場合や、根が詰まっている場合に行います。春または秋に、古い根を切り取り、新しい鉢に移植します。移植後は、十分に水を与えてください。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）の増やし方は、株分け、挿し木、葉挿しの3つ。株分けは、成長した株を掘り起こし、根を傷つけないように注意しながら、別の鉢に植えます。この方法は、株が大きくなってから行うことができます。 挿し木は、茎が柔らかい時期に、葉挿しは、葉が健康で、新芽が出ている時期に、発根させて新しい株を作ります。成長した茎の先端や葉を切り取り、下部の葉を取り除きます。その後、水に挿して根を出すか、葉柄を残して培養土に挿して発根させてください。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、いくつかの病害虫に注意が必要です。例えば、「白粉病」、「黒星病」、「葉枯病」などがあります。これらの病気は、高温多湿の環境下で発生しやすいため、風通しの良い場所に植え、葉の裏面に付着した水滴を拭き取ることが重要です。 また、アブラムシが、葉の裏面に集まり、葉を歪めたり、黄色く変色させたり、ハダニが葉の表面に白い斑点を作り、葉を黄色く変色させ、萎れさせることがあります。 病害虫の駆除は農薬が効果的ですが、くれぐれも使用方法には注意しましょう。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、有害植物とされておらず、人体に害を及ぼしません。ただし、花粉症の原因となる可能性があるため、アレルギーを持つ人は注意が必要です。 薬効成分が含まれており、風邪や咳、胃腸炎などの治療に用いられることがあります。ただし、医療用として使う場合は、医師の指示に従うことが重要です。含まれる成分が、他の薬剤との併用によって副作用が生じる可能性があるため、自己判断での使用は避けてください。

クサキョウチクトウ（Phlox paniculata）は、犬や猫に対して毒性がある植物です。犬や猫が食べた場合には、嘔吐、下痢、口内炎、消化器官の炎症、神経症状などの症状が現れることがあります。重症化すると死に至ることもあるため、ペットが誤って食べてしまうことがないよう、置く場所や飾り方にも気を配るようにしましょう。