ヒガンバナは中国原産の球根植物です。学名は「Lycoris radiata(リュコリス・ラジアータ)」で、リュコリスは、ギリシャ神話の美の女神の名で、ラジアータは放射状という意味で、ヒガンバナの花が開いた状態にちなんで名づけられました。 また、「曼珠沙華」という別名も持ち、法華経に由来する赤い花という意味が込められているといわれています。日本での呼び名ヒガンバナは「彼岸花」と書き、由来は彼岸の頃に突然葉も出さずに花を咲かせる奇妙な生態からもきているようです。 ヒガンバナは球根の部分に毒性を持っています。昔から魔除けやモグラやネズミなど害獣除けとしても利用されてきましたが、地域によっては幽霊花や葬式花ともいわれ、その毒性とも相まって全体的に不吉な花というイメージを持たれてきました。 ヒガンバナは耐寒性があり、湿度の高い場所を好むため日本では全国的に分布していて、野生化しているものも多数あります。高さは30cm~60cm、花径は5cm~10cmで、気温を察知して葉よりも先に茎の先に突然花を咲かせるのです。 花が終わってから葉が伸び始め、葉をつけたまま冬を越します。他の花が芽吹きだす初夏に枯れてしまうめずらしい特徴を持った植物です。
0
0