ハマナデシコ(Dianthus japonicus)の学名の「Dianthus」は、ギリシャ語の「dios(神)」と「anthos(花)」が組み合わさったもので、「神々の花」という意味があります。「japonicus」は「日本の」という意味です。 花の形がナデシコに似ており、海岸に生えることから、日本では「ハマナデシコ」と名付けられました。 ハマナデシコは、朝鮮半島や中国の一部地域にも分布しますが、日本が主な起源地です。日本の海岸線の自然環境に適応して進化し、独自の形態や生態を持つようになったため、日本の海岸線の生物多様性を象徴する植物とも言えるでしょう。 ハマナデシコ(Dianthus japonicus)は、日本をはじめとする東アジアの海岸に自生しており、特に関東地方から東北地方にかけての太平洋側に分布しています。 高さは20-60cmに成長し、夏から秋にかけ、先端が切れ込んでいる5枚の花弁と、花の中心にある黄色い目が特徴の直径2-3cmのピンク色の花を咲かせます。また、葉は線形で対生し、茎に沿って密に並ぶのが特徴です。 花が美しいので園芸品種として栽培されるほか、砂地や岩場などの厳しい環境に適応し、耐塩性もあることから海岸の植生保護や砂防工事に利用される場合もあります。 なお、ハマナデシコは絶滅危惧種に指定されている地域があり、今後の研究や保護活動が重要視されています。
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