ナツロウバイ(Calycanthus chinensis)は、高さが2-3メートルに達し、幅が1-2メートルに広がるような大きな植物です。 葉は対生し、長さが10-20センチメートル、幅が4-8センチメートルになるでしょう。葉の形は楕円形から長楕円形で、先端は鋭く、縁には鋸歯があります。 5月から6月に、直径約5センチメートルの、淡い黄色から橙色を帯びた赤色の花を咲かせます。花は枝先に単独で咲き、花弁は4枚あり、甘いスパイスのような香りが特徴です。 また、果実は長さ約5センチメートルの楕円形で、表面には毛が生えています。 ナツロウバイは、日本ではあまりよく知られている植物ではありません。 ナツロウバイ(Calycanthus chinensis)は、中国原産の植物で、その起源は中国南部の山地にあります。この地域は、温暖で湿潤な気候をしており、ナツロウバイが生育するのに適した環境が整っています。 ナツロウバイは、中国で古くから観賞用として栽培され、その美しい花が評価されており、日本にも江戸時代に渡来し、その後広まりました。 ナツロウバイの名前は、花の形状が蝋梅(ロウバイ)に似ていることから、夏に咲く蝋梅を意味する「ナツロウバイ」と名付けられました。しかし、実際には蝋梅とは別の科に属しており、分類学的には近縁ではありません。 また、ナツロウバイは、カリカンサス属に属する唯一のアジア産種です。他の種は北アメリカに分布しているため、この植物はカリカンサス属の中で特異な存在とされており、その起源や分布に関心が寄せられています。
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